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MI・VI・BIが形成する「コーポレートアイデンティティ」とブランド独自のBIとは?

MI・VI・BIが形成する「コーポレートアイデンティティ」 とブランド独自のBIとは?

MI・VI・BI・CIともう一つのBIとは?

MI・VI・BI・CIのそれぞれは個別に知られていますが、それぞれがどんな関係なのかは、あまり知られていないかもしれません。

MI・VI・BI・CIには密接な関係があり、それぞれが企業価値を高めるために必要な要素になります。

また、ブームやイメージが先行して、本来とは違う意味で使われている言葉もあります。

MI・VI・BI・CIともう一つのBIについて、それぞれ本来の意味や役割・目的を知り、使い分けていきましょう。

マインド・アイデンティティ(MI)について

MIは、マインド・アイデンティティ(Mind identity)の略です。 マインド・アイデンティティとは企業が理想とする理念やビジョン、社会における役割を明確にすることで、企業理念を統一しようとすることです。

企業理念とは経営の中核になる考え方ですが、経営者一人が掲げればいいというものではありません。

社員と理念を共有して、社員の精神的な支えとなるような経営哲学のことです。

具体的には、企業理念、社是、行動規範(クレド) 、スローガン、メッセージなどがあります。

ヴィジュアル・アイデンティティ(VI)について

VI は、ヴィジュアル・アイデンティティ(Visual identity) の略です。

ヴィジュアル・アイデンティティとは、企業の理念やビジョンをデザインに落とし込み、視覚化することです。

具体的には、ブランドロゴ、ロゴタイプ(社名書体)、キーヴィジュアル(コーポレートキャラクターやコーポレートカラー)などです。

Webサイトや会社案内などのデザインを、視覚的に統一することも指しています。

その企業のものであれば、何を見ても一目でその企業だとわかるように、一貫しており統一されたデザインが必要とされます。

視覚に訴える力があるデザインの統一は、他社からの優位性を保つための重要な要素になっています。

成功事例としては、アメリカのアップル社があります。

商品、店舗、Webサイトデザインなどから、すぐにアップル社だと認識できるのは、デザインの統一があるためです。

ビヘイビア・アイデンティティ(BI)について

BIは、ビヘイビア・アイデンティティ(Behavior identity)の略です。

ビヘイビア・アイデンティティとは、企業理念や経営哲学を実現するために、行動して実践することです。

具体的には企業理念や経営哲学を、どのように事業化するかということを指しています。

どんな事業を、どのような戦略に基づき、いつまでに、どれほどの企業規模で行うのか、という考えを行動に置き換えていきます。

企業としての行動には、社員教育なども含まれます。

他には、組織改革・商品管理・販売促進・広告活動などの立案と実践です。

近年は組織改革・商品管理などの立案と実践が、特に重視されています。

どんな理想的な理念があっても、実践されなければ意味がありません。

実践を促すのが、ビヘイビア・アイデンティティの役割です。

3つの要素で構成されるコーポレート・アイデンティティ(CI)とは?

CIは、コーポレート・アイデンティティ(Corporate identity)の略です。

コーポレート・アイデンティティとは企業文化や特徴・独自性などを、統一された視覚やメッセージで社内外に発信して、認知と企業的価値を高めることです。

ブランド構成には欠かせない、企業戦略の一つです。

コーポレート・アイデンティティは、「マインドアイデンティティ(MI)」「ヴィジュアル・アイデンティティ(VI)」「ビヘイビア・アイデンティティ(BI)」の3つの要素で構成されます。

つまり「理念」「視覚」「行動」です。

企業文化を構成する戦略を式にすると、以下のような式になります。

MI(理念)+VI(視覚)+BI(行動)=CI(コーポレート・アイデンティティ)

「視覚的なもの」だけではなく、「企業理念」や「企業としての行動の統一」が、三位一体となって企業アイデンティティを構成するのです。

CIというと、「企業ロゴをつくること」というイメージが定着しています。

そのためCIを行うと言っても、ロゴを新しくして完了と考えてしまうこともあるようです。

ロゴは企業を象徴するものとして、企業と社会をつなぐ役割を果たす重要なものです。

しかしCIは企業文化を高めることで、顧客や取引先などの社会との関係性を、最適化するのを目的としています。

CIには社外的なイメージの構築だけではなく、企業内部での意識の向上や品質・生産性の向上、入社希望者を増やす目的なども含まれています。

CIは社内では、マーケティングや広報・経営企画部などが担当することが多く、社外の専門コンサルに依頼することもあります。

CIの成功事例としては、1984年の史上最低シェアから復活した、「アサヒビール」があります。

「アサヒビール」は、「消費者の求める商品を提供する」という新しい企業理念を掲げて実践した結果、国内ナンバーワンシェアへと復活を遂げました。

ブランド・アイデンティティ(BI)について

ブランド・アイデンティティとは、ブランドとしての特性や価値の統一性を顧客に示して、ブランドとしての独自性を確立するものです。

自社と自社の製品を、顧客にどのように思われたいのかを明確にすることで、顧客に対してブランドの「らしさ」を伝えます。

企業が顧客にこのように思われたいというブランドの「らしさ」と、顧客が考えるブランドの「らしさ」が一致すると、ブランドの認知が深まります。

ブランドの価値は、視覚的なデザインだけではなく、企業としての考え方や行動などが一体となってつくられるものです。

ブランド・アイデンティティ(Brand identity)を略すとBIです。

BIはブランド・アイデンティティを意味することもあり、ビヘイビア・アイデンティティを意味することもあります。

コーポレート・アイデンティティ(CI)とブランド・アイデンティティ(BI)の違いとは?

CI(コーポレート・アイデンティティ)とBI(ブランド・アイデンティティ)はよく似ていますが、どこからの視点を重視しているかという点が、最も異なります。

CIは企業側を、BIは顧客側の視点を重視しています。

CIは「自分たちはどうあるべきか」という理念であり、BIは「顧客から見た価値」を高めていこうという考え方です。

どちらも起業価値を高めるには重要ですが、しっかりと違いを理解して戦略に活かしていきましょう。

(画像は写真ACより)

この記事を書いた人

代表取締役 Maki Aman

株式会社エニィ代表|事業の競争力を高めるブランディング|理念と事業を一致させるビジョンコンサルティングからの唯一無二の広報戦略とDX化で「CV30%アップ」「LPで月50件の成約」など実績多数|HP制作、広告、経営コンサルで結果を出し続けて20年|4児のシンママ|楽しくて、ちょっと社会に良いこと、一緒にしませんか? <経歴・受賞歴> オルタナグリーンオーシャン大賞受賞 東京都創業融資セミナー講師 商工会事業支援セミナー講師 中小企業119専門家派遣制度登録専門家 クリーク・アンド・リバー社寄稿 オーソライズ新規事業コンサルタント インスタ:https://www.instagram.com/makimakiany/?hl=ja