Webサイトを制作ではコーディングガイドラインといった、「Webサイト制作に関する決まり事」を作成しておくシーンがいくつかあります。
はじめに決まり事やルールを決めておくことで制作途中で発生するトラブルの対応が容易になることから、作成するWeb制作担当者も多いことでしょう。
そうした準備段階で作成するルールの1つに「表記統一ガイドライン」というものがあります。
この表記統一ガイドラインはWebサイトのコンテンツ制作を行う上で重要な役割を担うため、Web制作担当者が予め作成しておきたいルールの1つといえます。
今回は、Web制作の準備段階で作成しておきたい表記統一ガイドラインの必要性とその活用法についてお伝えしていきます。
Web制作における表記統一とは?
まずはWeb制作における表記統一について知っておきましょう。
制作するWebサイトによって多少の違いはありますが、代表的なものに「文章構成」や「文体」の指定、「送り仮名の記述ルール」や「使用禁止文字」などがあり、それらをまとめたものが表記統一ガイドラインとなります。
表記統一ガイドラインは、Web制作担当者が記事コンテンツの品質チェックを行う際の基準として使用するもので、Webサイトのコンテンツを執筆するライターにとっては「書き方のマニュアル」となります。
つまりWebサイトの表記統一を行うことは、Web制作側の修正作業を減らすことになり、Web制作におけるストレスを軽減することにつながるのです。
また、Web制作における表記統一には確固としたガイドラインが存在せず、制作するWebサイトごとで作成する必要があります。
Webサイトで扱うテーマやターゲットとなるユーザーに合わせた表記統一が求められるため、ターゲットとなるユーザーを想定した「ペルソナ設定」の後に作成するのが良いでしょう。
なぜ表記統一を行う必要があるのか
そもそもWeb制作における表記統一は、Web制作担当者やコンテンツを制作するライターのストレス軽減を第一の目的としているわけではありません。
最も達成したい目的は、ユーザーがストレスなくWebサイトのコンテンツを閲覧できるようにすることです。
そのためにはユーザーがコンテンツの内容を理解しやすいように文章を工夫して書くことが求められます。そこで表記統一が必要となるのです。
コンテンツの文章が誤解されるリスクを減らし、安定しない文体から受ける不安なイメージをユーザーに与えないためにも、Web制作における表記統一は必須といえるでしょう。
表記統一ガイドラインには「文章の書き方」も記述する
先述したように、表記統一ガイドラインは制作するWebサイトのテーマや想定されるターゲット(ペルソナ)に合わせて細かく作成する必要があります。
とはいえ、表記統一ガイドラインに記述される項目には「文章の書き方」なども含めることができ、送り仮名の使い方や固有名詞の記述ルールなどと合わせて参照できると便利です。ここでは、文章の書き方の代表的なルールを2つ紹介します。
文章の書き方ルール1
文章の書き方を決める際には「Webライティング」の知識を応用すると良いでしょう。可読性の高い文章を作成するためには「5W1H」を意識した文章を心がけ、意味が重複しないように文章を短く区切ることが重要となります。
完全一致の正解文は存在しないため、例文などでニュアンスを伝えながら文章作成のルールを記述していきましょう。
文章の書き方ルール2
またWebライティングでは「結論を先に書く」ことが重要です。結論を先に書き、その結論を支える理由や具体的な方法を後に記述していきます。
そうすることでWebサイトに訪れたユーザーは情報をいち早く仕入れることができ、悩みを持ったユーザーは解決のためのヒントを得ることができます。
Webサイトに訪れるユーザーに対して有益な情報を提供するのはもちろんのこと、その情報をいかに上手く伝えられるかを考えて「文章の書き方」を決めると良いでしょう。
起こりやすい「表記ゆれ」の種類とは?
表記統一ガイドラインを作成した後は実際に記事コンテンツを作っていきますが、その際に起こってしまうのが「表記ゆれ」です。
表記ゆれとは、1つの意味を表す言葉が2つ以上の書き方で記述されている場合を指します。
同一ページ内に表記ゆれが複数存在する場合には、ユーザーが文章を読むのをやめてしまうこともあるため注意が必要です。
例としては「行う」と「おこなう」、「コンピュータ」と「コンピューター」があり、そのほか記号なども表記ゆれの対象となります。
表記統一ガイドライン作成前に、起こりやすい表記ゆれの種類について確認しておきましょう。
送り仮名の記述
最も表記ゆれが起こりやすいのが「送り仮名」の記述です。漢字とセットである送り仮名は、Web制作担当者やライターそれぞれで認識が異なっていると判断するのが良いでしょう。
間違えやすい「行う」という単語は「おこなう」とするなど、表記ゆれのリスクを回避する方法もあります。
実際に記事の作成を行い、間違えやすい送り仮名がないかチェックしてみましょう。
カタカナの記述
カタカナの記述で、特に表記ゆれが多いのが「サーバ」と「サーバー」になります。
また、自社製品や自社サービスなどにみられる固有名詞でも表記ゆれが起こりやすいといわれているため注意が必要です。
年や金額の記述
「2020年」や「10,000円」といった年や記号の記述も表記ゆれが起こりやすい項目の1つです。
単位ごとに記述方法を指定するのが面倒な場合は、「カンマ(,)を記述しない」などの統一ルールを決めてしまうと良いでしょう。
記号の記述
記号の記述では、カッコ「」()などが頻繁に表記ゆれの対象となります。
半角表記と全角表記の区別をはっきりさせておくことで、未然に記号記述の表記ゆれを防ぐことができます。
表記ゆれのチェック方法
様々な状況を想定して書かれた表記統一ガイドラインでも、表記ゆれを完全に無くすことはできません。
もちろん目視で見つかる場合もありますが、チェックツールを使用して表記ゆれを発見する方が作業時間の短縮につながります。
「Just Right!」が提供するチェックツールでは表記ゆれ以外にも「誤字」や「脱字」もリストアップしてくれます。
1人で多くの文章を校正するWeb制作担当者は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まずは想定読者を想像してみよう
Web制作における表記統一の重要性および表記ゆれの代表例を紹介しました。
表記統一ガイドラインの作成はユーザーの閲覧ストレスを軽減すると同時に、Web制作担当者にとってもメリットが大きいものです。
表記統一ガイドラインを作成する前に、まずはターゲットとなるユーザー(ペルソナ)をイメージすることが重要となります。
後ほど競合となるサイトのチェックを行い、頻出する単語や文体を箇条書きでリストアップするなどして、表記統一ガイドライン作成の参考にしてみると良いでしょう。
(画像はPixabayより)