- アクセス解析の目的は、過去や今現在のサイトに起こっていることをデータから解析し、改善に役立てること
- おすすめの分析ツールは、Google Analytics
- アクセスログ解析から収集可能なサイトの重要な指標となるデータ
Analytics(アナリティクス)の最大の目的はサイトの課題を明確にすること
Webサイトのアクセス解析には、Analytics(アナリティクス)という分析ツールがよく使われています。
アクセス解析にAnalyticsを使うことで、取得したデータから相関関係やパターンを明らかにします。
そして「過去や今起こったことやその原因」から「未来に起こる可能性の予測」を行い、サイト改善に役立てるのです。
この場合、Analytics(アナリティクス)は主にGoogle社製のものを指すことが多いですが、そもそもAnalyticsという言葉は、直訳すると「分析論」や「解析」になり、データの有意な規則性を発見する活動を意味しています。
Analyticsというと、主にWebサイトのアクセス解析をイメージしますが、Twitterアナリティクス やYouTube アナリティクスなど、アプリ用のアナリティクスもあります。
分析ツールのデータ取得方法は3タイプ
分析ツールのデータ取得方法には、大きく分けると下記の3タイプがあります。
- サーバーログ型
- パケットキャプチャ型
- Webビーコン型
データ取得方法によって、導入するまでの手間やコスト、サーバーの活用法などが違います。
サーバーログ型
Webを閲覧しているユーザーがどのページを見たか、というアクセス記録をWebサーバーに記録します。
そして一定の頻度でアクセス記録を、Webサーバーから解析サーバーに送信して集計します。
サーバーログ型ならば、Webサイトにはそのまま手を加えなくても解析できます。
しかし、ユーザーの詳細な判別が出来ないため、ユーザー別のリピート情報などの集計ができないという欠点があります。
パケットキャプチャ型
サーバーログ型との違いは、Webサーバーに記録しないところです。
ユーザーの閲覧データは、Webサーバーとユーザーとの間でやりとりするデータを、別の解析サーバーに保存します。
この方式はWebサーバーの負担が軽減されるため、アクセスが多いWebサイトに適した方法です。
しかしデータを保存する別の解析サーバーが必要になるため、コストがかかります。
Webビーコン型
Webサイトの解析したいページすべてに、タグを埋め込むことで解析する方法です。
ユーザーがページを表示するとタグが実行されて、解析サーバーにデータが記録されます。
この方式もWebサーバーには負担がかかりません。
ページにタグを埋め込む手間がかかりますが、計測の精度は高くなります。
分析ツールを比較・選択する場合のポイントとは?
分析ツールは、データの取得方法が異なります。
一般的にはGoogle Analyticsがよく用いられますが、しっかり選定するのであれば、以下の内容を把握した上で最適なツールを比較・選択することをおすすめします。
- アクセス解析の目的を明確にする
- 解析ツールに支払える予算を検討する
- 導入するツールが自社のサイト規模・性質に合うかどうか
「アクセス解析の目的」には、アクセス数の把握・リピーターの動向把握・ページ別のアクセス数把握など、様々な目的があります。 ツールにより測定できる内容が変わってくるため、その目的に解析ができるかどうかを検討する必要があります。
「予算」も大きな選択ポイントです。
導入費と毎月の運用費が必要なツールから、無料のツールまであります。アクセス解析が事業計画に大きく関係してくる場合には、運用費が必要になっても、目的のデータを収集できる方法を選ぶべきでしょう。
しかし、大まかなアクセス数を確認できればいい場合には、無料のツールでも十分目的を達成できる場合もあります。
そして安定したWebサイトの運営が必要な場合には、Webサーバーへの負担をかけない方式にする、という選択方法もあります。
多機能なツールは大変便利ですが、データを使いこなせなければ意味がありません。
色々な面で「自社に合うかどうか」も選択ポイントとなります。
主な分析ツール
- Google Analytics(グーグルアナリティクス)
- Google Analytics for Firebase
Google Analytics(グーグルアナリティクス)
Google Analyticsは、最も知られているWebサイトのアクセス解析ツールです。
Google社から無料で提供されています。
データの信頼性も高いため、上場企業でも多くの企業で導入されています。
Google Analyticsでは、「1日の流入数」「流入元」「CV数」「ユーザー情報(地域など)」、最低限必要なデータを収集することが可能です。
Google Analyticsは、無料で連携できるツールも多いため、ログインして連携することで、解析機能をアップさせることも可能です。
Google Analytics for Firebase
Google Analytics for Firebase は、モバイルアプリを計測できるツールです。
Google社から無料で提供されています。
アプリ内でのユーザーの行動データや、ユーザエンゲージメントを簡単に取得することができます。
主にデータを収集するためのツールであるため、集計などの機能は弱い面があります。
モバイルアプリのみを分析したい場合にはGoogle Analytics for Firebaseを使い、モバイルアプリとWebの両方を分析したい場合にはGoogle Analyticsを使うことが推奨されています。
プッシュ通知の効果解析や、アプリケーションがクラッシュしたレポートを確認できる機能もあります。
アクセスログ解析とは?
アクセスログ解析とは、アクセス履歴である「ログ」のデータを集計して、分析することです。
Webサイトの管理者や運営者が、Webサイトがユーザーにどのように利用されているかを把握したい場合や、Webサイトを改善するのに役立ちます。
Webサイトを訪問するユーザーはどのくらいの人数なのか、どのようなキーワードで検索しているのか、ユーザーはどのコンテンツを閲覧しているのか、どんな時間帯が利用が多いか、などの情報をレポートで知ることができます。
ログファイルの文字化けのように見える記号は、デコードツールなどで変換できます。
ログ解析ツール
- <無料>Log Parser (ログ・パーサー)
- <有料>Visitors
<無料>Log Parser (ログ・パーサー)
多言語に対応しているアクセスログ解析ツール。
マイクロソフトから無償で提供されています。
特徴は、データベース問い合わせ言語のSQL文を使えるということです。
たくさんのログの中から、必要な情報や特定の情報を検索して並べ直すことや、Excelデータに加工することができます。
<有料>Visitors
Linux、Windows、Unixなどで使えるアクセスログ解析ツール。
操作が簡単で、10万行が2秒ほどで処理できる高速性が特徴です。
サイトの人の流れをフローチャート化することも可能です。
こちらの内容は、業者に依頼する場合は、最適なものを選定してもらえるため、Web担当者で自分で解析しなければならない方以外は読み飛ばし頂いて構いません。