エニィはこの度、サッカークラブの無料体験LPのリニューアルを担当しました。

制作期間は約2ヶ月、サッカークラブの代表谷口様と創り上げた本LPは、リニューアル公開後初月から50件を超える体験申し込みを獲得し、入会数は40人と例年の2倍を記録しました。

制作期間も短く、ボリュームもそこまで大きくないたった1つのLPで成果を生むことができた理由は、サッカークラブのイメージを認識齟齬なくクリエイティブからユーザーに伝えることができ、リアルでのサービス設計(顧客体験)も充実していたことにあります。

成果への勝ち筋を見つけるヒントは成功事例の制作プロセスの中にたくさん潜んでいるもの。そこで今回は、普段目に見えにくい制作過程を代表の谷口さんへのインタビューも交えながらご紹介させていただきます。

LPのリニューアル前は、半年間月に8万円ほど広告をかけておられましたが、成約件数は少なく、広告費用が無駄になっていると感じられてました。

ブリオベッカ浦安ジュニア様からは以前エニィへWebサイト制作のご依頼を頂いており、本件でも谷口様より直接ご相談頂きました。

リニューアル前のLPが抱えていた課題は以下の通りです。

課題
  • コンテンツが混在しており、狙ったターゲットにメッセージを届けられていなかった。
  • 未経験者がペライチで作成したので閲覧者に魅力がうまく訴求されていなかった。

ターゲットを広くしすぎると、コンテンツに一貫性が出てこないだけでなく、メッセージが広く浅いものになります。そのため、説得力が薄い、誰にも刺さらない価値のないコンテンツとなってしまいます。

また、これまではスタッフがペライチを使ってLPを作成されていたとのことでした。ツールの使用自体はNGではありませんが、ビジネスにおいて何を検証するのかは明確に定めてクリエイティブを創る必要はあります。

これらの課題をクリアするため、エニィ側で2つの解決方針を定めました。

ターゲットに刺さるようにコンテンツとデザインを絞る

ターゲットは決済者である小学1,2年生の保護者に定めました。サッカークラブは小学生の中学受験を期に辞める方が多いため、なるべく長い期間所属していただくためにも、小学校低学年のお子さんをもつ保護者の方へアプローチしたいというのが谷口様のご意向でした。

ここでのポイントは、当たり前ではありますがターゲットは「小学1、2年生」ではなく「小学1、2年生の保護者」であるということです。それぞれをペルソナにしてみると明確に違うことが分かります。

今回のLPでは、保護者に向けたコンテンツ・ビジュアル設計を行いました。

POINT
  • 入会することでお子さんがどういう人間に成長できるのかを保護者に向けて説明
  • よくある質問は「体験」に対する質問ではなく、「入会」にあたり保護者が不安に思うことや疑問点を払拭する
  • 優先度が低いため、体験プログラムや体験のメリット等の「体験」自体を訴求するコンテンツはつくらない

つまり、無料体験LPというタイトルでありながら、中身は入会案内のような内容にしたのです。

ターゲットを絞る際にはこのように最も客層として近い方に焦点を当て、それ以外は削ります。長年制作に携わってきた身からしますと、誰か一人に対する強いメッセージのほうが、かえってターゲットから少し離れた方の心も動かし成約を獲得できることが多いためです。

LPのセオリーを忠実に守り、潜在顧客の取りこぼしを防ぐ

LPはそのページで商品やサービスの説明を完結させ、問い合わせ獲得までを担うため、コンテンツが長くなります。

長いコンテンツを完読してもらうために大切な考え方がLPにストーリー性をもたせるということです。これはLPのセオリーであり、ストーリー性の無いLPはユーザーを飽きさせ、離脱されてしまいます。

ユーザーの心に寄り添うLPで、適切な構成でサービスを訴求し、興味を惹き寄せ、ユーザーからのお問い合わせや申込みなどの成約獲得に繋げましょう。

今回のLPでも、FV(ファーストビュー)、ベネフィット、共感、保護者の声、フロー、FAQ、クロージングというストーリー性をもたせるためのLPの構成を取り入れました。基本に忠実に潜在顧客が求める情報を提供できれば、自然と問い合わせは獲得できます。

LP集客において依頼側が取り組んだこと

LP制作における課題と解決方針を定めた本プロジェクトですが、実際の制作工程でどのように役割分担を行い、LPから申し込みを獲得し成約をつくったきたのか、サッカークラブの代表の谷口様とのインタビューを交えながらご紹介致します。

LPを用いて集客をお考えのWeb担当者の方は、依頼する側の心構えや制作時にどのような材料を揃えれば良いのか、仕事の棲み分けはどうすれば上手くワークするのか等分からないことだらけだと思います。

成果の出るLPを創るために依頼側が何をすればよいのかが分かるように本記事を通じてご紹介させて頂きます。

成果

本案件は、サッカークラブの無料体験LPをリニューアルしたのですが、結果は以下のようになりました。

  • LPリニューアル直後1ヶ月で50件を超える無料体験申し込みを獲得
  • 入会数は40人と例年の2倍へ増加

簡単なように思えますが、当然LPを改善すればどこでも数字が伸びる、というような単純な話ではありません。

この成果の裏には、私たちのこれまでの知識・経験・技術が反映されたLPとクライアント側のコンテンツ制作への姿勢・取り組み、それから無料体験を通じたサービス提供というビジネス全体が上手くハマって数字に直結したと私たちは考えます。

サッカークラブの代表である谷口様へのインタビューを交えて、成果を生むためにどのように取り組まれたのかをご紹介致します。

LPの原稿作成と写真素材の収集

磯崎:今回コンテンツ制作にあたり、写真や原稿作成(ライティング)は谷口様にお願いしましたが、出してくださる写真や原稿はどれもエニィからの要求通りでした。事前にターゲットの認識のすり合わせはできていましたが、コンテンツ制作や取材においてなぜユーザーに寄り添うコンテンツを作成・収集することができたのでしょうか。

谷口様:原稿作成と写真について、それぞれお話します。まず、原稿作成は今回私の方で全て行いました。元々執筆が好きということはありましたが、Webライティングに慣れているとは言えません。それでも無料体験に参加することを検討されている保護者の方が、安心して参加して頂いたり、お子さんがクラブで楽しんで成長される姿を想像してもらえたりできればと思い、原稿を作成しました。文章は何度も推敲し、納得できるまで修正してはまた書いてを繰り返しました。

谷口様:写真はプロのカメラマンを手配し、要求出しは私の方で行いました。こちらも実際の子ども達の様子を伝えられるように指示出しは行いましたが、結果としていい写真になってくれてよかったと感じております。

磯崎:そうだったのですね、今LPを見返しても共感できる写真が多かったり、ターゲットの不安や疑問点を説明でしっかり解消されていたりと材料がよく考えられていると思います。

POINT

無料体験に参加する上で、参加者がどのような不安や疑問を抱えているのか、どうなりたいのかについては、普段無料体験を通じて参加者の声を直接聞かれている当事者のほうが知識や経験は豊富です。知識・経験を活かして、LPにどんな情報があると参加者が安心できたり、疑問が解消できるのかということを考えて原稿作成に取り組みましょう。

ターゲットに刺さる原稿材料を依頼側で用意することができれば、制作会社が創るクリエイティブの品質も最高状態まで持っていくことができます。本件もコンテンツとデザインがメインターゲットに向いたからこそ、50件を超える体験申込獲得に繋がりました。

体験申し込みから入会までのフォローアップ

本来、問い合わせや申込みを獲得できたとしてもそこから契約や入会に繋がる数は少なく、その原因は以下のようにいくつも考えられます。

  • 体験申し込み後のご案内が上手くいかず、体験自体がキャンセルになる
  • 体験当日の保護者へのご案内が弱く満足度が下がる
  • 体験後からご契約までのフォローアップがなく、契約に至らない

このサッカークラブでは、LPのリニューアル後入会者数も例年の2倍の数を記録しており、大きな成果をつくることができました。成約に繋がる秘訣がどこにあるのか、谷口様へお聞きしました。

磯崎:本案件ではLPを通じた申し込みから多くの入会に繋げることができていたのではないでしょうか?

谷口様:そうですね、無料体験に来てくだされば、ご入会頂く割合は高い方だと思います。

磯崎:無料体験の申し込みから入会までがここまでの数になるとは正直想定外でした。詳しくお話をお聞かせ頂きたいです。体験当日はどのような提案活動をされているのでしょうか。

谷口様:はい、まずお子さんについては無料体験と言いつつ通常練習に参加してもらうといった内容です。特に無料体験用の特別なプログラムを用意しているわけではありません。保護者の方へはクラブのご紹介・ご説明を細かく丁寧にさせて頂いております。当クラブがどんなクラブなのか、所属している子ども達の様子、月謝から練習日程までをお子さんが無料体験を楽しんでいる間に一通りご説明しております。

磯崎:ありがとうございます、保護者へのご案内を大切にされているということですね。体験当日に即入会される方は少ないのではないかと思いますが、体験からご入会までの流れはどのようになっているのでしょうか?

谷口様:体験当日にご入会される方もいらっしゃいますよ。お試しで来られた方には、体験の最後にお申込み書をお渡ししております。また、体験後は担当スタッフより定期的に保護者の方へ検討状況をお伺いしたりしております。

磯崎:体験当日でのご案内やクラブに所属されているお子さん達の雰囲気、体験後の心遣いあふれる保護者へのお電話が保護者にとって素晴らしい体験となって、ご入会に繋がっていたのですね。このインタビュー記事を読まれる方にも、素晴らしいサービスが根幹にあるからこそ無料体験LPが加わるだけでビジネスが加速するということをお伝えすることができると思います。

磯崎:貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました。

まとめ

いかがでしたでしょうか、今回の無料体験LPを通じたご入会までのポイントをまとめると以下のようになります。

POINT
  • LPのターゲットはメインターゲットに絞り、コンテンツもデザインも集中させる
  • 潜在顧客を取りこぼさないようにLPにストーリー性をもたせて魅力的なコンテンツを配置する
  • 原稿や写真などの材料が充実していれば、後は経験豊富な制作会社に設計・デザインはお任せできる
  • 無料体験当日のご案内や説明は充分に行い、参加者の満足度を高める
  • 無料体験後は、心遣いのある連絡を定期的に行い、成約までご案内する

このように充実したサービスがあって、LPという集客ツールが強力な効果を発揮することが分かりました。

これからLPを活用して集客を行われるWeb担当者または経営者の皆様が本記事を参考にサービスとLPを一緒に考えて頂き、成果を生んで頂けますと幸いです。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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この記事を書いた人

代表取締役 Maki Aman

デザイナー、エンジニア、マーケターの経験を活かし、経営戦略からWEB企画(制作・開発・広告) までを幅広く担当。企業コーポレートサイト、ロゴデザイン、ブランディング、開発ディレクション、アニメーションなど現場でのデザインと実装など対応領域は多岐にわたる。新規事業立ち上げやコンサルティングの経験も豊富。3児の母。 15 年間、さまざまな企業のサービス起ち上げ、ブランディング活動に携わってきました。さまざまな立場や環境によって人の目線は変わるものですが、どのような角度から見たときにも、企業の明るいビジョンが描ける立体的な活動がしたいと思っています。 透きとおった心で、明るい未来を描き、美しい世の中をデザインするために活動中。 ・オルタナグリーンオーシャン大賞受賞 ・DXからXRの世界へMinimumVariableProduct(著書)