Web制作を行うにあたり市場調査は欠かせない作業の1つです。
見込み客のインターネットにおける検索動向や、ソーシャルメディアの利用状況などの情報は、Webマーケティング戦略に必須の情報となってきます。
見込み客のサイト流入経路が多極化する中、それぞれの市場規模やWeb広告市場を知ることは価値あるWebサイトをつくる第一歩となるでしょう。
Web制作における市場範囲とは
まずはWeb制作における市場範囲を知っておきましょう。
見込み客が自社サイトに訪れることを考えると、大きく分けて2つの流入経路が考えられます。
Web検索のSEO市場
見込み客が自社サイトを知るきっかけを考えた時、すぐに思い浮かぶのはオーガニックリサーチ(自然検索)でしょう。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンからのサイト流入はSEO(検索エンジン最適化)でよく知られています。
SNS市場の拡大により存在感が薄くなりつつある市場ではありますが、まだまだ市場規模は大きく、多くの企業やWeb制作担当者が注力している市場になります。
後ほど説明していきますが、SEOを考えたWeb制作においてはキーワード設計や記事コンテンツの充実などがカギを握ります。
いわゆるコンテンツマーケティングとよばれるもので、BtoBサイト構築などで注目されているマーケティング手法です。
拡大するSNS市場
2016年時点での10代~60代のスマートフォン利用率は71.3%となり、2018年9月時点での「Instagram」の国内月間アクティブアカウント数は2,900万人を超えました。
ここ数年でSNSの市場は拡大し、日本国内で最も利用率の高い「LINE」をはじめ、タイムライン機能で有名な「Twitter」、中高生を中心に人気の「TikTok」などSNSのサービスが多極化しています。
利用者数が右肩上がりのSNSとあって、企業がマーケティングの一環として参入するケースも増えてきました。
参入している業界はファッション業界が多く、続いて観光業となっています。
こうしたSNS市場拡大の背景には、モバイル端末の利用が増えたことによるMFI(モバイルファーストインデックス)の導入が関係していると考えることができます。
Googleが打ち出したMFIは、モバイル版のコンテンツがスマートフォンでの閲覧に適しているかを判断するもので、それによりモバイル端末の検索結果は影響を受けるというものです。
個人のスマートフォン利用率が上がり、変化する需要に沿う形でSNS市場は拡大を続けているといえます。
効果的なWeb制作の方法
Web制作における2大市場を知った後は、それぞれの市場に対する効果的なアプローチ方法を覚えておきましょう。
自社サイトの制作で気を付けるべきポイントやサイトコンテンツの充実、効果的なSNS広告などを紹介していきます。
オーガニックリサーチの検索ボリュームを調べる
自社サイトへの主な流入経路の1つにオーガニックリサーチがあります。
企業のWebマーケティング担当者は顧客の検索ニーズに合わせたキーワード設計を行い、Googleなどの検索エンジンで上位表示させることに注力します。
そのため、あるキーワードの「月間検索ボリューム」を調べる必要があり、同時にキーワード別の競合率も見ていく必要があるのです。
得られた情報から、ライバルとの差別化を図るためのサイト設計を行ったり、既にサイトがある場合はサイト内コンテンツの充実などを行ったりします。
一般的に知られているツールには「Googleキーワードプランナー」があり、これからWeb制作を行う上で必要となるツールです。
今のうちに触れておくことをおすすめします。
営業するWebサイト「サービスサイト」をつくる
企業のWebサイトの中には、企業情報やサービス紹介以外にも様々なコンテンツを持っているところがあります。
特にBtoBビジネスを行っている企業などは、積極的に見込み客の関心事や学びたいコンテンツを「記事」としてサイト内に蓄積している場合も多く見られます。
またコーポレートサイトとは独立した形で見込み客の購買活動を支援する「サービスサイト」の運営を行う企業もあり、業種や企業形態に影響されないWebマーケティングが可能となっているのです。
顧客のインサイトを考えたSNS広告
株式会社サイバーエージェントの調査では、動画広告などのインフィード広告市場は拡大傾向にあり、同時にスマートフォンでの視聴を想定した動画広告市場も拡大するという結果が出ています。
SNS利用者が増えるにつれて、SNS広告の需要も高まっているということです。
実際、最近のSNS利用者はそもそも「Web検索を行わない」という報告も上がっており、各SNSの検索機能から検索を行う傾向にあるといわれています。
したがって従来の「Web検索によるCV経路」とは異なるCV(コンバージョン)経路が発生しており、SNSをきっかけとしたCV経路は無視できない存在となっているわけです。
そうしたCV経路の変化に合わせたSNS広告には、「見込み客の潜在的なインサイト(きっかけ)」を考慮したマーケティングも存在するといわれています。
あるコーヒーメーカーのサイトでは、「子育て中のママ」が自宅で簡単に本格的なコーヒーが飲めたらいいと思い「コーヒーメーカーを買いたい」というインサイトにたどり着いた場合を紹介しています。
そこには、子育て中のママが「コーヒーメーカー おすすめ」と検索をしたところ大量の検索結果に晒され、購買行動に発展しないケースが描かれています。
その打開策は、「コーヒーメーカー」のTwitter広告を「子育て中のママ」向けに発信するというものでした。
このことからSNS利用者のCV経路の変化は、SNS広告市場の拡大を後押しする形となっているといえます。
スマートフォンに対応したWeb制作が必須
徐々に頭角を現したSNS市場は、Googleが打ち出したMFIに見られるように、スマートフォン向けのコンテンツや広告を巻き込む形で成長を続けています。
それはWeb制作を行う側にとっても重要な認識の1つとなるでしょう。
つまり、これからのWeb制作は、スマートフォンなどのモバイル端末の利用を前提として制作していく必要があるということです。
常に「モバイルファースト」の意識が必要といえるでしょう。