「想いを形にするブランディング会社」と、自己紹介をしている私たちANY。想いを形にするってなに?どんなことをしてくれるの?といった疑問を少しでもクリアにできるよう、ここでは、私たちが実際に行なっているブランディングの事例をご紹介します。
今回ご紹介するのは、海外進出を希望する企業に対し、総合的な支援サービスを提供するParadise Vision LLC(以下PV)さまとのお取り組み。
ANYでは、PVが事業を通して何を実現したいのか、そのために何が必要なのか、そんなブランドのコアとなる部分を発掘するために、PVの代表である山内さんがいるアメリカ・ロサンゼルスまでお話を伺いに行きました。
東京からロサンゼルスまでの距離は、8,000km以上。ヒアリングという枠を超えて、“ひとつの旅”をともにした私たちだからこそ、何にも似ていない唯一無二の“PVらしさ”を見出せたと思います。そんな旅の様子を、少しでも覗いていってもらえたらうれしいです。
PV代表・山内さんとの出会い
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PV代表の山内さんと知り合ったのは、今から8年前。山内さんは、医薬品や医療機器の輸出入など、いくつかの事業を経営されていました。その中のある事業のECサイトのデザインをANYに依頼されたことが、山内さんとの出会いでした。
山内さんは東大を卒業後アメリカに渡り、LAを拠点にさまざまな事業をご経験されてきたインテリジェンスとパワーを兼ね備えている女性です。
ECサイトの仕事が終わってから1〜2年が経過し、山内さんと再びオンラインでお話しする機会がありました。そのときに山内さんより「PVとしてやりたいことがあるから聞いてくれない?」というご相談をいただきました。かねてより山内さん自身の魅力にも惹かれていたANYとしては二つ返事で「ぜひ」と、このプロジェクトがスタート。
PVでは「コーポレートサイトをつくりたい」というご要望がありましたが、山内さんはコーポレートサイト以外にも、事業について、そして社員やパートナー企業との未来の目指す方向性などについても思案されていました。
そこで私たちは、PVのことはもちろん、山内さんの想いにもっと触れるため、山内さんがいるアメリカ・ロサンゼルスまで取材しに行くことを決めたのです。
さあ、ここから移動距離8,000kmを超える旅のはじまりです。
ブランドのコアとなる想いに触れるため、いざロサンゼルスへ
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この旅では、山内さんと一緒にX、Google、Apple、Intel、テスラ、ヒューレットパッカード、Facebookなどの有名企業や、投資家向けのピッチイベントをはじめ、アートの展示会、テーマパークなど、分刻みのスケジュールでいろいろな場所をめぐりました。
阿萬は、自身初の海外ということもあり出発までに空港でたくさんのトラブルに出くわしますが、持ち前の“anything goes(なんでもあり!)の精神”で、どうにかアメリカに到着。
そんな阿萬を、山内さんはいつも通りの飄々とした雰囲気で迎えてくれました。
山内さんと合流する前、阿萬はすでに日本とアメリカの文化の違いについて身をもって体感していました。例えば機内サービス、例えばチップ文化、例えば親切にしてくれた人々。今みたいに自動翻訳ツールなんてない時代に、単身でアメリカへ渡った山内さんも同じように文化の違いに触れたのだろうか、そんなことを考えていました。
山内さんは、こんな話をしてくれました。
「ある日、アメリカの洗車場で洗車が終わったにも関わらず、その場で拭き上げ作業をしている男性がいたんです。日本だと洗車が終わったら次の人のために、場所を移動してから拭き上げ作業をするというのが慣例のようになっていることが多いと思うのですが、その男性は後列の人に向かって『俺がここで拭きたいんだから何か問題があるか?』みたいなことを言っていて。私は、日本ではなかなかお目にかかれないこの主張に、センセーショナルな感覚を覚えて『いいなあ!』と、後続の人に譲るのも自由だし、譲らないのも自由なんだなあと思ったんです。」
山内さんはアメリカに来てから、「人は違っていて当たり前」ということを改めて認識したんだということを知ることができました。
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さて、旅の最初の目的地は、阿萬がリクエストしていたアートミュージアム。ホテルで仮眠を取った後、山内さんが運転する車に乗り込み向かいます。アートミュージアムに展示されている数々の素晴らしい作品を前に圧倒される阿萬。「ロサンゼルスのアーティストは『見て!』と自分の作品をうれしそうに見せてくれる。上手とか下手とかは関係なく、自分がアーティストだという誇りを持っているんだ」。阿萬は、アートの持つ価値と可能性、そして山内さんが持つビジネスにおける柔軟な思考や発想の源泉について知ることができました。
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この旅で訪れた数ある有名企業の中でも、特に印象的だったのはApple。製品やショップのデザインはもちろん、紙袋一つひとつまで美しいことに感動。阿萬はこう感じます。「Appleはスティーブ・ジョブスがただお金儲けのために仕事するんじゃなくて、『この地球に生まれてきて何がしたいんだ?』と常に自分に問い続けてきたからこそ、素晴らしいブランドとして磨かれていったんだ」。そんな体験を胸に、「私たちも山内さんの想いや哲学をブランドに込めたい」という想いを強めることができました。
ただ、山内さん自身はやわらかな印象があるAppleより、カチッとした印象のあるWindowsやGoogleの方がお好みということで、この辺りの要素は後に制作されるPVのロゴデザインの際に参考になりました。
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その後、一行は“海外から見た日本”を知るために日本食レストランやジャパンタウンにある雑貨店などのお店をまわります。
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その他、スケートボードを乗りこなす両足のない青年、性別や年齢ではなく自分自身のキャラクターを大切にするショップ店員など、ここでは違うのが当たり前で、みんなが自分に誇りを持って生きている。そんなことを実感することができました。
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また、一行はヒューレットパッカードの創業の地も訪れます。今では世界的なコンピューターメーカーですが、その始まりは自宅兼オフィスとして借りた、ガレージのある家だったそうです。創業者たった2人で始めたことが、今では巨大な事業としてたくさんの人に影響を与えている。山内さんとたくさんお話しする中で、最初にある“小さな想い”の偉大さを知ることができました。
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他にも、X、Google、Intel、テスラ、Facebookなどの他、ピッチコンテストなどを訪問し、視察は終了。
最終日は、山内さんにどういうビジネスをしたいのかについてを深くお聞きする時間を設けさせていただきました。そこでは、複数ある企業をどうしていきたいのか、社員やパートナー企業とどう付き合っていきたいのかなどをヒアリング。山内さんの中にある想いを表層化させる時間になりました。
山内さんは自分の強みについて、こうお話ししてくれました。
「自分の強みは、ただの通訳ではなくて、最適なコミュニケーションをカスタマイズできること。日本やアメリカや中国など、国によって異なる文化特性に合わせて、シームレスな橋渡しができるのは私ならではの強みだと思います」
お話を伺い、阿萬は「事業の構造化をして、それをクリエイティブに落とし込んでいってはどうでしょうか?」「山内さんの情熱や想いを他の人が見ても共感できるコーポレートサイトをつくりませんか」と山内さんにご提案。
山内さんにも深く共感していただき、想いをカタチにする作業へと移っていきました。
山内さんは、今回の取り組みについてこんなことを話してくれました。
「サイトをつくることでビジネスのアーキテクチャの解像度まで上がるなんて素晴らしい!」
そう、ANYがしたかったのは、サイト制作だけでなく山内さんの本当に成し遂げたいことや想いを聞き、それを事業やデザインやサイトなどのカタチにしていくこと。そんな私たちの気持ちが山内さんにも伝わったようで、この言葉を聞けたときは本当にうれしかったです。
ANYがロサンゼルスまで行ってでも得たかったモノとは?
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私たちのブランディングサービスには、大きく2つのフェーズがあります。それは「ブランド発掘」フェーズと「ブランドを磨く」フェーズです。
その中で、私たちは「ブランド発掘」を特に重視しています。「ブランド発掘」では、企業のコアとなるCIを策定し、ブランド基盤を構築します。このコアがあることで、会社としてあるべき姿が明確になり、企業イメージが具現化し、経営者ご自身の意思決定もスムーズになります。
そして、このコアを掴み、構築するために必要なのが、経営者の中にある想いを聞き出すことだと考えています。事業は一度走り出すと、立ち止まることが難しくなります。忙しい経営者は、いつしか自分の中にあった想いを忘れてしまうことも少なくありません。そして、自分がそもそも何をしたかったのか、何のために事業をしているのかがわからなくなってしまうことも。
ANYは、よくあるブランディングのフレームワークに当てはめるのではなく、隠れてしまっている、もしくは気づいていない想いを発掘するために、あらゆる(Anything)手段で全力を尽くします。
今回、ロサンゼルスまで向かったのも、山内さんの中にある想いに触れたかったから。逆を言えば、この想いに触れなければPVらしさを引き出して、世の中に伝えていくことは難しいと思ったからです。
理念・ミッションの開発
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まずは、事業の根幹となる理念とミッションの開発に取り組みました。
今回の旅の中で伺った山内さんのお話をもとに、ANYが経営理念の草案を作成。その中で重視したのは、山内さんが大切にしている多様性と双方向という価値観。その後、山内さんとの擦り合わせの中で決定したのが「We are all unique.」という理念。
そして、一人ひとりの個性と可能性をPVの事業を通して伸ばして広げていくことをミッションとし、「違いを繋ぎ、可能性を切り開く」と言語化させていただきました。
想いをカタチにしていくために、ロゴやサイトマップなどの具現化作業
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理念とビジョンが決まった後は、事業アーキテクチャの構成やロゴ、WEBサイトの制作など具現化の作業へと移行。
山内さんの想いや情熱、そしてPVが持っている価値観、そしてビジネス構造、サービスの魅力が伝わるようにサイト設計やデザインを制作させていただきました。
こうして出来上がった“PVらしさ”いっぱいのクリエイティブ
日本から8,000km以上離れた場所にまで行って、想いの発掘をした今回のプロジェクト。その集大成となるクリエイティブをご紹介します。
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10年後、100年後に残っていくブランドを育てるために
ANYのミッションは、「企業の想いを社会に届ける」。そして、ビジョンは「想いのある企業やサービスを成功させる」。
今回の事例においても、私たちはこのミッションとビジョンを胸に、自分たちができることをすべてご提案させていただきました。
他社から見れば、「効率が悪い」「採算が合わない」と映るかもしれませんが、私たちはこの想いに触れることができなければ、10年後、100年後に残っていくブランドは育てられないと考えています。形式だけではない、見た目だけではない、経営者の想いから生まれ、磨かれていくブランド。ANYでは、そんなブランドづくりのお手伝いをし続けている会社です。
もし、事業やサービスに関してお悩みがあれば、ぜひ一度私たちにご相談ください。資料請求のほか、オンライン無料相談を実施していますので、お気軽にご連絡ください。