PDCAについて
PDCAは、もともとは生産技術の品質管理のために使われてきた、継続的改善の施策です。
その後、業務の効率的に目的達成するための経営活動の手法として、日本企業で幅広く使われるようになってきました。
Webサイトの制作や運営においても、目標を達成するための管理や改善の手法として、PDCA提案が活用されています。
PDCAには以下のような4段階があり、それぞれの頭文字をとってPDCAとして提唱されています。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
・Plan(計画):目的(KGI、ゴール)や目標値を決めてから、行動計画を決めていきます。
・Do(実行):Plan(計画)で決めた内容を実行します。
・Check(評価):計画どおりに実行できているかを検証します。
・Action(改善): 結果をさらに改善する方法を考え、実行できていない部分を改善します。
PDCAサイクルの方法
「Plan」「 Do」「Check」「Action」の4段階をつなげると、PDCAサイクルとなります。
目標をもとに計画をたて、実行し、結果を検証して、改善するというサイクルです。
PDCAサイクルは1周で終わるわけではなく、「Action(改善)」を次の 「Plan(計画)」につなげて、螺旋階段のように継続させます。
1周ごとにどんどん次の段階へとレベルアップしていくことを目指しており、継続的にもしくは定期的にループで改善し続ける手法です。
PDCAサイクルは、ビジネスの現場では「PDCAサイクルを回せ」などと言われています。
「PDCAサイクルを回す」ためには、一度回して満足するのではなく、何度も継続して回すことが大切です。
何度もサイクルを回すことで、前回見落としていた問題点を発見することができ、解決につなげることができるためです。
Web制作におけるPDCAの効果
Web制作においてPDCAの効果が期待できる場面のひとつは、Webマーケティングの分野です。
PDCAは、ビジネスの目標を効率的に実行できるというメリットがあります。
Webサイトでの売り上げ目標の達成や、成約率アップの向上を目的とするWebマーケティングには、PDCAの手法が効果を発揮します。
Webマーケティングにおいては、売り上げ目標の達成や成約率アップにおける目的・目標(KGI) を可視化して、中間ゴール(KPI)を設計することで目標を明確化できます。
そして実行後の数値を計測することで、どの段階でどのような問題があるかが、検証できます。
そこで明らかになった問題点や課題を改善して、次の施策につなげることで、ビジネスゴールに近づくことができるのです。
販売を目的にしないWebサイトであっても、Webサイトへの流入数やコンテンツへのアクセス数によって、広告効果やブランディング効果を目的にした施策に、PDCAを活用することができます。
情報セキュリティとPDCAサイクル
また、Webの情報セキュリティマネージメントにおいても、PDCAサイクルは効果を発揮します。
情報セキュリティでは外部の様々な脅威から、機密や情報資産を守ることが必要とされます。
情報セキュリティでのPDCAサイクルは、「導入すべき対策の策定」「対策の導入・運用」「監視と見直し」「維持と改善」などになります。
セキュリティ対策は一度取り組めば終わりというものではなく、常に環境の変化に合わせて対応することが求められます。
そして情報セキュリティを確保し続けるには、人的・技術的・物理的な取り組みを、マネージメントし続けなければなりません。
情報セキュリティマネージメントを効率よく行うには、PDCAサイクルのステップを繰り返す改善手法が適しています。
PDCAサイクルが回らないパターンとは?
PDCAサイクルが失敗しやすい要因としては、以下のようなケースがあります。
- 目標が高すぎて計画倒れになってしまう
- 一度で終わってしまう
- 評価が正しくできない
●目標が高すぎて計画倒れになってしまう
高すぎる目標を立てたために、実行段階でどうすれば実行できるか、分からなくなってしまうケースがあります。
また実行したとしても全く目標に近づくことができなかったため、評価や改善が難しいケースもあります。
目標は実現できる範囲で設定することで、次のサイクルへつなげることができます。
●一度で終わってしまう
PDCAサイクルを一度回すことで、その時に必要な計画の実行や改善はできるかもしれません。
しかし、Webでは環境や状況が常に変化し続けています。
そのためPDCAサイクルを一度回すだけでは、変化に対応し続けることが難しいのです。
継続的に行うことが、高い効果につながるため、一度ではなく繰り返すことが重要です。
●評価が正しくできない
PDCAサイクルでは、評価をもとに改善を行います。
そのため評価が適切に正しく行われないと、その後の改善が無駄な作業になってしまいます。
内容に精通しており、適切に判断できる人物が評価することが、重要になってきます。
成果につなげるための改善方法
PDCAサイクルでの悩みとして、「計画はしたが、実行できない」「実行したが、改善できていない」など、途中で止まってしまいサイクルを完結できないというケースが多くあります。
その状況を改善するためのツールとして、手帳を活用する方法があります。手帳はそもそも予定や計画を書き込むツールですが、日々実施したことや記録を書き残すことで、後日改善の資料にもなるのです。
PDCAサイクルで行うべき行動を、具体的に時系列で手帳に落とし込めば、実行のための強い味方にもなってくれます。
会議や資料作成の負担を減らそう
またPDCAサイクルをうまく回すには、会議や資料作成の負担を、必要最小限にすることも大切なポイントです。
会議や資料作成は組織においては重要なものですが、会議が多く資料作成にばかり時間をかけていることも少なくありません。
そして、それがPDCAサイクルを止める要因になっていることもあります。
計画倒れにならないように、PDCAサイクルは4段階をバランスよく進めていくべきです。
スピーディに計画して実行・評価・改善に取り組めるように、会議や資料作成が多すぎないかを見直すことが必要です。
(画像は写真ACより)