近年のスマートフォン普及にともなって、ユーザーの消費行動がオンライン空間へと拡大しています。
どのような商品・サービスを提供する企業もこの変化に対応するべく、Webマーケティングに注力していることでしょう。
そこで注目されているのが「SNS運用」です。SNS運用は企業が「公式アカウント」などを用いて商品・サービスの宣伝をする比較的新しいマーケティング手法といえます。
「ターゲットとなるユーザーが利用するSNSでどのように接点を持つのか」がカギを握るとされていますが、運用方法や接点を持った後のアプローチも企業によってさまざまです。
つまり、グロースハッカーは既存のサービスの改善を第1の目的としながらも、他サービスや新サービスの積極的な情報収集が必要になることが分かります。
なぜなら、SNS運用の目的が「サイト流入」「ブランディング」「キャンペーン告知」など多岐にわたるからです。
担当者は自社に最適なSNS運用を行うためにも、ただSNS運用を行うのではなく、はっきりとした「動機」「目的」に基づいてSNS運用を行っていく必要があります。
上記のように入念に準備をした結果、自社リソースでは目的・目標を達成できないと感じることもあるでしょう。
その場合はSNS運用を代行してもらう会社を選定する必要があります。費用は代行内容によって「10万以下~50万程度」の差が出てしまうため、「運用目的の見直し」なども視野に入れて実行することが重要です。
なぜSNS運用を行うべきなのか
企業がSNS運用を行うべき理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は「集客ツール」としての効果が期待されるためです。
ユーザーが利用しているSNSには国内でも数千万人規模のものがあり、「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」などが該当します。
こうしたSNS内に自社の公式アカウントを設置し定期的な更新を行うことで、膨大な数のユーザーと接点を持つことが可能となります。
SNSを集客ツールとする上で特筆すべきは「つながりやすさ」にあるといえるでしょう。
従来のWebマーケティングの手法は「メールアドレスの登録」といったユーザーにとって面倒なものばかりでした。しかし、SNSでは他のユーザーと同じように企業アカウントをフォローするだけです。
また、フィードに流れてきた広告をスワイプしたり、検索窓やハッシュタグで気になるワードをタップしたりするだけで、自社のホームページやキャンペーンページに飛ばすことができます。
ユーザーにたったの1タップ・2タップを行ってもらうだけで、これまでのマーケティング戦略では実現できなかった効果が期待できるのです。
ここで注意しておきたいのは、グロースハックはグロースハッカーがいなくても実施できるということです。
SNS内すべてのユーザーと接点を持つことは難しいかもしれませんが、フォロワーを持つことで効果的なマーケティングアプローチができることを覚えておきましょう。
2つ目は「マーケティング施策としてPDCAが回しやすい」ことです。
SNSには「投稿数」「フォロー数」「フォロワー数」といった「可視化された影響度」が表示されています。
このSNSの特徴を利用し、マーケティング施策のKPI(マーケティング目標の中間指標となる値のこと)として設定することが可能です。
例えば、自社が投稿した記事がどれだけの人に届いたかを示すリーチは「いいね!」「リツイート」「シェア」の数を追うことで計測することができます。
また、短い動画や画像をスライドショー形式でフィードに流す「ストーリーズ」を利用すれば、キャンペーンページへの誘導に対するクリック率などを測ることもできます。
このように、SNS上で行う施策はほとんどの場合において数値的な結果を得ることができるのです。
SNS運用のメリット
上述の文章だけみると、SNS運用にはメリットが多いと感じることでしょう。しかし、SNS特有のデメリットも存在するため、運用担当者は知った上で運用を行う必要があります。
まずはメリットを確認していきます。
1つ目が「商品の認知・拡大が容易」な点です。SNS運用の基本である「SNS投稿」は無料で行えるため、通常のWeb広告と比べてコストが安く抑えることができます。
より多くのユーザーに認知してもらうことを考えると、SEO(検索エンジン最適化)よりもSNS広告といったSNSマーケティングの方が短期間で効果的な集客が行えるでしょう。
加えて、魅力的な画像や紹介文・動画クリエイティブを投稿することができれば、SNSのシェア機能によって拡散される可能性が高まります。
SNSのシェア機能はいわば「無料の広告機能」のため、企業は積極的に活用していきたいところです。
2つ目が「ユーザーの反応がすぐに分かる」点です。
多くのマーケティング施策はリリースから結果をレポートとしてまとめるまで時間がかかってしまいます。
「午前にリリースした施策の善し悪しを当日の夕方に判断する」といった迅速な行動はなかなか取れないことでしょう。
しかし、SNSであればそうした迅速な行動が可能です。ユーザーの反応がリアルタイムで得られるため、ユーザーが何を求めていて、何に興味を示しているのかを「いいね!」や「コメント」から判断することができます。
SNS運用のデメリット
次に、デメリットを確認していきます。
1つ目は「期待する効果がすぐに得られない」ことです。
Webサイト構築と同様にコンテンツが充実するまでに時間がかかるため、期待する効果がすぐに得られないことがあります。
したがって、運用には中長期的な施策案とKPI設計が求められます。
2つ目は「炎上のリスクがある」ことです。
「拡散されやすい」特徴を持つSNSでは、Twitterなどでみられる炎上リスクを避けるための運用が必要となります。
「不適切な発言をしてしまっていないか」といった内容の確認から、「誤字脱字がないか」といった細かな部分まで確認する仕組み作りが必須です。
ユーザーに誤解を与えないためにも、SNS運用は2人以上で行うようにしましょう。2人以上の運用体制を作ることによって、内容の確認などがスムーズに行えるようになります。
SNS運用代行の相場と選ぶポイント
SNS運用は企業のマーケティング戦略における重要度によって、運用の量や質が変化します。
そのため、SNS運用をマーケティング戦略の大きな柱として掲げる場合は、SNS運用代行会社に依頼することも考えておきましょう。
相場は10万以下~50万程度とされており、「投稿代行」「コメント対応や簡単なレポート」「広告運用や解析などを含めたすべてを任せる」などの差でコストが大きく変動します。
また、選ぶ際には「効果を測る基準が明確か」「同業種における実績があるか」などのポイントに気を付けて、依頼後の流れやPDCAサイクルの回し方まで確認すると良いでしょう。
自社運用からスタートしよう
SNS運用の明確な目的があり、達成するべき重要指標がある場合は、運用のはじめから代行会社に依頼するのも1つの手です。
もしそうでない場合は自社運用でスタートすることを考えましょう。
期間などを設けてある時点までは自社運用を続けるが、ある時点からは運用会社に依頼するといった計画を立てても良いかもしれません。
SNS運用担当者は「成功事例」や「代行会社の実績」なども確認した上で、最適なスタートが切れるようにSNS運用の準備を行いましょう。