素敵な経営者で居てくださってありがとう
小さな出来事に経営が宿っていく
小さな出来事に経営が宿っていくエピソードをいくつか
技術力と実績とは比例しない「何か」が経営資源ではないか。
ホームページに高い技術力と書いている組織がありました。技術力が高いのは事実で、実績を見ても明白です。でも、チームを見ると、小さい会社だからというのを理由に、スキルの足りないメンバーに対して、強く当たる人達が多く、それが当たり前のように、なにもしない経営陣を見て、なんともならない気持ちになりました。
正しいです。強いほうが正義です。
資本主義とはそういうものだと、私も思います。
でも、こんな状態をつくるための素晴らしい技術や、崇高な想いではなかったのではないでしょうか?会社は、社会は、世界は、何も出来ないのかと、哀しくなります。
優しさとは、強さとは、弱い者いじめを黙認することではないはず。私は一体何に心震わされていたのだろうか…と、しばらく途方に暮れました。
契約はないけれどもお金がつくもの、契約はあったけれども価値がないもの。
ある日、スタッフの一人がWebサイトを落としてしまう事態が発生しました。いつもの調子で、組織内に怒号が飛ぶかと思ったのですが、トラブルは当たり前のことであるし、最悪な状況下でも最高のアウトプットを出すのがプロフェッショナルだと静かに仰っていました。
運用保守の契約があったため、トラブルのサポートについては、原因を追求し、報告する義務がありました。8時間残業をして徹夜をして原因を特定して復旧をさせても、サーバーを1台捨て、原因不明のまま、1時間後には違う環境で再現させてしまった場合でも、仕事のゴールは変わりません。
相手先の経営者はWebでサービスをしている事業者だったので、原因追求にはとても喜んで、見積もりがない状態でも、後づけの案件化とお金がつきました。採算も業務フローも度外視でトラブルの収束に向けて、見積もりを書いていない仕事が、勝手にプロジェクトとして動いていました。
最後に担当者が「Webは社会の血脈であるから、止めてはいけない」とお話されていたのが印象的でした。再び、プロフェッショナルに触れました。
言語化がされていない現場では「良い働き」と「そうでない働き」が混在する。
明確な言語化がされておらず、理由は聞けませんでしたが、納品前に上司が自主的に残業して部下の作業を全部やり直ししている姿も、この組織内では、よく見かけました。
顧客側で仕事が顕在化し、営業が見積もりを取り、発注をいただき、受注して、案件組成をして、内部での作業の説明、指導・監督し、出来上がったものを、納品できる状態ではありながら、さらに修正を重ね、品質を上げて提供していきます。
やり直しをしなければコスパは最高値になります。でも、品質の悪いものを納品し続ける仕事は楽しいだろうか?持続可能だろうか?ものづくりがしたいと言って入社した人が、物を作らず教育だけして楽しいだろうか?
経営者は当然、部下にも上司にも給与を支払っています。
仕事とはなんだろうか?クリエイティブ業界には、言語化がしにくいグレーな仕事がたくさん存在していました。
理屈ではない。プロフェッショナルの世界をまた垣間見ました。
だけれど、もっとクレバーに、ポジティブに、市場をみて良いのではないでしょうか?
この会社の強みは、本当に「技術」だったのでしょうか?
中小企業診断士の先生が言っていること、税理士の先生が言っていることを「何にもわかっちゃいない」って、文句言うよりも、濁りのない視点で心から思う経済活動を続けてみませんか?
新人の飲み会の芸を腐すよりも「社会ってそんなもんだよ」って迎合するよりも、まず自分のしごとスタイルが変わっていくことで次第に、市場がこちらを向いてくれるようになるのではないでしょうか?
こんなにも小さいことに気がついて成功していく経営者を見てきました。
技術力は大事です。今までこの事業を成立させてきたのは、経営者のすごい能力であると感じます。でも、どうか、感情的にならずに聞いてください。
「技術力が高いこと」と「成功していること」「組織力が高いこと」は、また別ではないでしょうか?
謙虚に、こんなにも小さいことに気がついて成功していく経営者を私はたくさん見てきました。
改善提案
もし本当にデザインが強みなのであれば、ホームページにシステム開発と書いているのを消して、全ての事業やバックオフィスも含めて、デザインとはどういうものか?この会社は社会にどういう価値を提供しているのか、プロ意識とはどういうもので、何を提供していきたいのか?を考え直し、WEBサイトに掲載してみてはいかがでしょうか?
- その新しい会社の姿を想像するだけで、何をするべきかも、変わってきませんか?
- 例えば、その理想的な姿になった会社には、今の様に、せっかく丹精込めて作ったデザインを売上が上がらなかったからといって、価値がないと言ったり、ページ単価で見積もりを出させて値引き交渉をしてくる人はもう居ないと思います。
- ターゲットは必然的にナショナルクライアントとなり、営業手法も変わります。
ナショナルクライアントが必要なデザインを提供できるだけの根拠やエビデンス実績を、ホームページに掲載して、適切なキーワードをとるだけで、自然と「ホームページを見て問い合わせした。力を貸してほしい」と電話がかかってくるはずです。
さらに具体的なやり方は、書籍でお話しますね。
Anything goes !!