前略 大石様
いま、帰りのバスからメールを書いています。
透き通った心で世界を変えていきたい…そう考えていたところでした。
私は奥の席に座り、左手前には若いヤンチャな感じのお酒を持った夫婦と赤ちゃんではないけど小さい子供、入口の方にはお婆さんと運転手さんが揉めて、ザワザワし始めていました。
どうやら「無賃乗車のため降りなさい」とちょっとイライラした感じで言われていたようです。
私は頭で仕事をしていたので「なんだかんだ言って日本は平和だから運転手さんが何とかしてくれるかな〜」とのんきに横目に見ていました。
するとお酒を片手に男性が「降りろ降りろ!みんな時間ないんだから迷惑なんだよ!」とまくしたて、周りも同調しているようで何も言わず、運転手さんも意見を変えようとせず、お婆さんは「困ったわ」と鞄をひっくり返しています。
退屈になった子供が降車ボタンを何度か押して、母親が「押すな!うるせえ!」と子供を怒鳴り、怒鳴っているのかと思うくらい大きな声で「間違えましたー!」と言っていました。
「こっちの方が嫌だなあ」と一瞬思いましたが「そうかママも大変なんだな」と思ったところで、
たまらず前の方にいって、お婆さんに「交番には行ったの?」と聞いたのですが、まだオロオロしていたので、運転手さんに「お金は私が払いますので」と言ったら「いまお金は要らないから、もう良いから次回400円払ってね!」とイライラしながらですが言ってもらえ、バスは出発しました。
なんだ、そういう対応できたんだ、まあ良かったわと思って後ろの方に戻り、まだ席は空いていましたが、座る気になれず立っていました。 正義感の強い大きい私が「お婆さんではなくてあの夫婦を降ろすべきだ!」「社会のために、バスの運営会社にこの対応のクレームを入れるべきだ!」と言っていましたが「いやそうでは無くて自分がしたい事が出来たからそれで良いよ〜」と幸せな今のわたしが言ってくれました。
話は飛びますが、仕事で急に思い立って行った福井では、バスに乗った時に、乗り方も方向もお支払い方法もわからないアホな私に「とりあえず乗れ」と乗せてくれて「どうやってお金を払うんですか?どこで降りたら良いでしょうか?」と聞くと忙しそうな運転手さんが「近くで降りる人教えてやって!」といって、みんなで助けてくれました。
わたしは、正義感の使者になりたい訳ではありません。
でも透き通った心は伝染します。
ひとつひとつの、見積もりが、デザインが、メールが、もしかしたら職人が打つ1文字のテキストコーディングが、働き方やルールや、世界を変えていくと思います。
きっと私は、たまたま200円持っていて、家が近かったり、お酒をのんでいなかったり、お金をちゃんと払いそうな身形をしていたり、ただラッキーだっただけです。
だからこそ透き通った心で明るい未来を描き、みんなの力で明るい未来を切り拓いていきたい。
そうあり続けたいと思いました。
あまり得意ではないのですが、透き通った心のために、これからみんなの代弁や発信活動も頑張っていこうと思います。
大石さんへのメールという形であれば書けそうな気がしたので、決意表明までに書きました。
あとやっぱり私にはサラリーマンは無理です〜(笑)
汚れた水の中では、泳げませんし、我慢もできません。
楽しい嬉しい綺麗や気持ちいいが、とっても大好きだし、図書館でお昼寝するのが理想です。
エニィには私を含め、ルールとか納期守れない人もいますが、透き通った心で、それが良いと思えたら良いと思うのです。