「自社のホームページを作成したものの、想定していた成果を得られなかった。」「ホームページ作成に費用や時間がかかりすぎて効率化したい」「これからホームページを作成しようと考えているが、失敗したくない。」など、ホームページ作成に関する悩みは多くありますよね。
そんな時にも活用していきたいのが、リーン・スタートアップです。
本来は新規事業の立ち上げなどで活用されるマネジメント手法ですが、ホームページ作成のプロセスを効率化するためにも有効です。
今回は、なぜホームページ作成で失敗してしまうのか、リーン・スタートアップとは何か、その活用方法を解説します。
なぜホームページで失敗してしまうのか
まずは、なぜホームページで失敗してしまうのか、その原因をみていきましょう。
原因は主に四つ挙げられます。
- 集客・コンバージョンのための施策を行っていない
- デザインに固執しすぎてユーザーの意見を取り入れていない
- ホームページの作成に費用をかけすぎている
- 求められている価値を理解していない
集客・コンバージョンのための施策を行っていない
ユーザーが検索をした時に上位表示されるようにSEO対策を行う、SNSでフォロワーを獲得しホームページも見てもらえる様に誘導するなど集客の仕組みを構築していますか?
ホームページは作成するだけでは効果がありません。制作するだけなら、資金をムダにしているのと同様です。
また、ホームページにはゴールがあります。もっとサービスや製品について知ってほしい、ホームページから商品を購入してほしい、提供しているサービスに登録してほしいなど様々なゴールをもってホームページを運用しているはずです。
成果に結びつくようにコンバージョン率を上げる工夫を行わないと、ホームページは失敗に終わってしまいます。
デザインに固執しすぎてユーザーの意見を取り入れていない
ホームページで一番大事なことは、独創的なデザインであると考えてはいませんか?
もちろんデザインが独創的であれば、ホームページを訪れたユーザーの興味を引くかもしれません。しかしデザインに固執しすぎると製作者側の目線を盛り込みすぎて、ユーザーの使いやすさや見やすさを損なう可能性があります。
「うちのホームページ、とてもおしゃれでしょ?だからうちのサービス・商品使ってね」と言ってるようなもので、ユーザーに押し付けているだけになっているかもしれません。
色合いがカラフルすぎて逆に見にくい場合や、文章による情報が少なく提供しているサービスの魅力が伝わらない場合など、デザインにとらわれてしまい失敗してしまう方も多いです。
- ホームページのデザインは、ホームページを訪れたユーザーの興味を引きつつ、サービスについて伝わりやすい、気になったことを調べやすいなど、ユーザー側に立った視点をもつことが重要です。
ホームページの作成に費用をかけすぎている
ホームページ作成のスキルや時間がなく、代行制作業者に依頼する場合もあるでしょう。
ホームページ作成の代行費用は業者によって様々ですが、なかには相場と大きく離れたサービスもあります。ホームページ作成に多額の費用を投じたとしても、はじめからそれによって売り上げに効果が出ることは極めて少ないです。
作成の時点で予算を消化してしまい、その後の施策に予算を使えなくなってはホームページで成果を出すことは難しいでしょう。
また、代行業者に全てを依頼したがゆえに、ホームページの一部を改良する際、どう設定を変えればいいのか分からず、結局何も操作が出来なかったというケースもあります。
求められている価値を理解していない
ここまでにご紹介した三つの原因に共通する部分ですが、ホームページやLPにどんな価値を求めているのかは、企業によって異なります。
例えば、芸術家とコラボした商品を打ち出すためのLPを作成する場合はデザイン性がもっとも重視され、歴史が長いことをアピールしたい企業のホームページであれば、革新的なデザインより、ビジネス性を前面に出すことが重要されるでしょう。
つまり、企業や事業、サービスや商品がユーザーにどういった価値があるのか、をしっかりと理解しておくことが重要になります。価値を理解しておけば、何が必要で不必要なのかの判断材料となるでしょう。
リーン・スタートアップとは
冒頭で述べたように、リーン・スタートアップはホームページ作成に活用することが出来ます。
リーンとは「ムダのない」「贅肉のない」といった意味を示します。ムダな費用や時間を省きつつ、よりよいホームページを作り上げていくといったイメージです。
本来はスタートアップ等で活用される手法です。新しいビジネスのアイデアや市場のニーズについて仮説を立てたら、MVP(Minimum Viable Product)と呼ばれる必要最小限の要素をもったプロダクトを作成します。
MVPを市場に出し、フィードバックを得ることで顧客にニーズのあるプロダクトへと改良することが出来ます。何度も改良を重ねて市場に適応したプロダクトを作り上げることで、スタートアップの成功率を高めます。
- スタートアップが失敗してしまう要因の多くは、まず完成品を作成し市場に出すという手順を踏んでしまうことです。完成品がそのまま市場に受け入れられるような、ビジネスモデルは多くはありません。
- 完成品に盛り込んだものの必要がなかったとなった場合、最初からやり直す必要があるとなると、多くのムダがうまれ、スタートアップは失敗に終わってしまうかもしれません。
そこでリーン・スタートアップを採用し、MVPを何度も改良することで効率的に成功へと近づけましょう。
リーン・スタートアップがどのように活用出来るのか
完成品を作成したものの、ユーザーに合わせて改善する作業を行っていない、またはコストがかかりすぎて行えないといった点がホームページ作成とスタートアップの失敗の要因は類似しています。
それを防ぐためにリーン・スタートアップの考え方をホームページ作成にも活用しようとお話してきました。
ここからは具体的にはどう活用していくのか、みていきます。
まずは、必要最小限の機能のみでホームページを構成します。凝ったデザインを追求したりトータルプランニングしてくれる代行業者にたくさんの費用を払って依頼したりする必要はありません。
場合によっては、サービス・商品の最低限の情報・ユーザーの情報を収集するためのフォーム・SNSシェアボタンをつけるといった、シンプルなランディングページだけでもいいでしょう。
実際に低コストで作成したホームページ(またはランディングページなど)を運用してみることで、課題が浮き彫りになります。アクセス状況から、集客は効果的に行えているのか、手法に問題はないのかなどが分かります。
また、ホームページ内でのユーザーのアクションを分析することで成果に結びついていない理由や離脱してしまう原因が分かります。
課題を解決するために、ホームページを作りこんだり、新しい要素を取り入れたりと改良を重ねて完成を目指します。
まとめ
今回は、リーン・スタートアップのプロセスを採用することで、効率的でムダのないホームページ作成、運用についてご紹介してきました。
サービスや商品とユーザーをつなぎ合わせる役割ももつホームページですが、企業側の一方通行にならないようにすることが重要です。
リーン・スタートアップやMVPを活用していき、ホームページがもつ役割を最大限生かしていきましょう。
ホームページで成果を出すには、作成段階よりも作成後の施策の方が重要なので、何度も改良を繰り返すことを前提にプランを立てましょう。