注目を集めるホームページ作りなどを目指すWEB制作において、自社サイトと競合サイトの比較は重要とされています。

なぜなら、競合サイト分析を行うことが翻って自社サイトの改善に大きく寄与するためです。

競合サイトへのアクセス流入経路やコンテンツ別の注目度を知ることができれば、自社サイトがどういったマーケティング戦略を立てるべきかも分かるようになります。

競合サイト分析を行うメリット

自社のWEB制作を行う場合に「なぜ競合サイト分析を行う必要があるのか」をよく知らない担当者もいることでしょう。

実際よく分からないまま、とりあえず自社サイトを制作している企業は多く存在します。

少し時間をかけて競合サイトを分析することで魅力的なWEBサイトを作りることができ、新たなコンバージョン経路を獲得できるかもしれません。

自社サイトのマーケティング戦略を改善できる

競合サイト分析を行っていると、競合他社のサイトがどういったアクセス流入経路を持っているかが分かるようになります。

また同時にWEBサイトのキーワード設計も把握することが可能になるため、競合サイトのマーケティング戦略が「どこに注力しているか」が手に取るように分かるのです。

競合サイトがSEO対策に注力しており、かつ多くのサイト訪問者が「一定のキーワード」から流入していることが分かれば、自社サイトでも類似のキーワード設計を行い、差別化を図るコンテンツの充実が必要だと分かります。

また自社サイトと競合サイトを比較し、競合サイトへの流入経路の中にオーガニックリサーチ(自然検索)以外の流入経路が占めている割合が大きければ、自社サイトに足りない部分と認識することが可能です。

つまり、見込み客のオーガニックリサーチ流入数が伸び悩んでいる状況と仮定して、ソーシャルメディアに潜む新たな見込み客の獲得へと舵を切ることができるわけです。

短期的な施策としてはインフィード広告などのSNS広告が挙げられ、中長期的な施策の中にはアカウントページの構築および定期的な更新が挙げられます。

このように「競合サイトへの顧客の流入経路を調べる」という、一握りの情報だったとしても効果的なマーケティング戦略は行えるようになるのです。

マーケティング戦略の改善例

自社サイト作りのヒントになる

競合サイト分析には「アクセス流入経路分析」といった定量データのチェックが必須ですが、そこと合わせて行いたいのが「ホームページ作り」などを見る定性データのチェックです。

競合サイト分析ツールで簡単に調べられる定量データに比べ、定性データは数値化が難しいためWEB担当者が競合サイトに実際にアクセスする必要があります。

競合サイトのホームページの印象やサイト構造などを確認し、自社サイトのホームページ作りに応用が可能かを見ていきましょう。

企業サイトの中には注目を集めるホームページ作りに注力しているところもあるため、そのホームページのアクセス状況などは定量データと並行して分析することができます。

一見目立たないシンプルなサイト構造であっても、サイト内に設けられた「ブログページ」などに顧客の購買活動を支援する有益な情報が蓄積されている場合があります。

このようなサイトは「サービスサイト」とよばれ、コーポレートサイトとは独立した形で新たに作りられるケースもあるのです。

また競合サイトのサイト構造を見る際には「お問い合わせ」や「よくある質問」などのページが設けられているかも確認しておきましょう。

サービスや商品利用前のお問い合わせが自然と多くなってしまう分野もあり、競合サイトが工数削減のためにどのような工夫をWEBサイトに凝らしているかを見てみると自社サイト制作のヒントになります。

定量調査と定性調査

競合サイトの選定方法

競合サイト分析のメリットを知った後は、競合サイトの選定方法を覚えておきましょう。

ポイントは「アクセス数」になります。

競合サイト分析ツールを使って自社サイトのアクセス数に近い競合サイトをピックアップすることも可能ですが、自社サイトのキーワード設計で設定したキーワードをGoogleなどの検索エンジンにかけてみるのも良い方法です。

検索結果の上位表示されているWEBサイト3~5つほどを競合サイトとして設定し、上述のような分析を行っていきます。

自社サイトの現状やイメージとあまりにも乖離した分析結果になった場合は、改めてサイトのキーワード設計を見直す必要があるかもしれません。

競合サイトの選定方法

競合サイト分析で調べる項目

では競合サイト分析で具体的に調べる項目について見ていきましょう。

競合サイト分析で調べる項目

サイト流入経路

競合サイトのホームページや様々なコンテンツページにどのような媒体からアクセスしているのかを調べる必要があります。

数年前まではオーガニックリサーチがサイト流入の主な経路となっていましたが、SNS利用者数の増加を背景に流入経路が多極化している現状があります。

したがって競合サイトがオーガニックリサーチ以外の流入経路を持つことが分かれば、自社サイトの集客で力を入れるべき施策が明らかになるのです。

反対に競合サイトとの差別化を図る良い指標ともなるため、競合サイト分析には欠かせない項目といえます。

ユーザー属性

競合サイト分析ツールを使用すると、サイト流入ユーザーの属性(性別、年齢、住んでいる地域など)を知ることができ、ユーザーのセグメント化を行うことが可能になります。

WEBマーケティング戦略では、様々な指標からターゲットとなる顧客をグループ分けすることで顧客の動向を追いやすくする工夫(セグメント化)をしているため、ユーザー属性も重要な分析するべき項目といえます。

またサイトのページ別でユーザー属性が異なる場合もあり、競合サイトがホームページ内で運営するブログに一定のユーザー属性が集中する場合はコンテンツの内容を見込み客のニーズとして捉えることが可能です。

競合サイト分析ツールを紹介

それでは最後に競合サイト分析ツールを紹介していきます。

SimilarWeb(シミラーウェブ)

シミラーウェブは企業のWEB制作の目的に応じた競合サイト分析を行えるツールです。

無料版を試すこともでき、「マーケティング」「リサーチ」「セールス」「投資関連部門」の4つのテーマから分析を行うことができます。

MOZ Link Explorer

MOZの提供するリンクエクスプローラーを使えば、競合サイトの被リンク数やリンク元を知ることができます。

つまり競合サイトが参考にしている情報がすぐに収集可能なため、自社サイト制作に活用することができるのです。

SEOツールラボ「GRC」

GRCはインストール型の検索順位チェックツールです。

無料で使用することができ、調べたいサイトのURLとキーワードを入力するだけで、簡単に検索エンジン別の検索順位を表示してくれます。

長期的に同じキーワードの検索順位を追うこともできるため、SEO対策の効果を確かめるツールにもなります。

有料分析ツールの導入が難しい場合は、無料分析ツールを使って競合サイト分析を行いましょう。

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この記事を書いた人

磯崎史弥

WEBの戦術設計や提案を得意とするWEBプランナー。実務のディレクション及び技術面の知識も豊富で、クライアントの意向をWEBプランニングに落とす事ができます。 コーディングや開発は事業スケールを意識した設計を中核にチーム形成まで視野に行うため多くのプロジェクトを成功に導いてきました。 commnet 正解や成功までの道は一つではないと思います。 特定の解法に拘らず、任意のケースにおいて実現可能な道とその先にある結果を提示することで、クライアントの決断を助ける活動をしていきたいと思っています。