自社サイトのマーケティング戦略の中心となる「コンテンツ企画」について、アイディアが出ずに悩んでいるWeb制作担当者やWeb編集者も多いのではないでしょうか。
コンテンツの企画方法や目的別のコンテンツ制作を知ることは、コンテンツを中心とした自社サイト設計の第一歩となります。Webサイトの集客やユーザーニーズに合わせたコンテンツ作成を知り、自社サイトのコンテンツ制作に生かしていきましょう。
目次
課題解決に向けたコンテンツの企画
自社サイトの中心としてコンテンツを企画する場合には、そのコンテンツが自社のマーケティング戦略の課題解決に向けたものであることが重要となってきます。
例えば自社に販売を促進したい商品があった場合、担当部署のメンバーにヒアリングを行うなどしてその商品が売れていない原因を洗い出します。出てきた様々な原因の中で、自社サイトを通じて課題解決ができるものをコンテンツの要素と設定して企画を行っていきます。
はじめに社内における課題のヒアリングを行うことで、「コンテンツのアイディア捻出」の後にコンテンツ案をフィルターにかけることができます。
既存サイトがある場合は、既存コンテンツの分析を行う必要があります。Webサイト上のユーザー行動を可視化する「ヒートマップツール」などを使って新たなコンテンツ企画を行っていきます。
また、Webサイトにおけるコンテンツ制作は、大きく分けて「集客を目的としたもの」と「ユーザーニーズの観点から作成するもの」に分かれます。
そのため、ページの印象などを決めるWebデザイナーやページの内容を書くWebライターといった「各分野に特化した人材」をプロジェクトメンバーに含めるなどの工夫が必要です。
いずれのコンテンツを作成する場合もマーケティングの視点から企画・制作していくことになるため、事前のサイト分析や社内ヒアリングを行うなどして課題認識を共有することが重要になります。
コンテンツのアイディアを捻出する方法
自社サイトのコンテンツを企画する場合、Web制作担当者のみで企画立案からコンテンツ制作までを行うこともありますが、プロジェクトメンバー間でアイディアを出し合うこともあるでしょう。
その際に課題解決のポイントが分かっているだけでは、サイトコンテンツを作成する際の切り出し方が見つかりません。その打開策として社内ワークショップを行うことがあります。
ある会社では良いアイディアを捻出する方法として、ワークショップで話し合う項目ごとの時間を20分単位で制限し、短い時間でアイディアを捻出する方法をとっています。
また、ワークショップのアイディア捻出の方法として「マンダラチャート」を活用するケースもあります。
まず9マスの表を作成し、真ん中にWebサイト運営で達成したい目標を書き込みます。次に書き出した目標から訴求性の高い関連キーワードをまわりに書き込んでいきます。
そうして出た8つの関連キーワードを分析し、さらに連想されるキーワードを新たに追加し9マスのマンダラチャートをいくつか作成していくのです。
すると最大で81個のキーワードが出てきます。その中からコンテンツとして制作できそうなキーワードをリストアップすれば、マーケティング目標に合わせたページのテーマが設定可能です。
SEO対策を施したコンテンツを企画する
Webサイトのコンテンツには、先述したように「集客を目的としたもの」と「ユーザーニーズの観点から作成するもの」の2つに分かれますが、前者の集客を目的とするコンテンツには「SEO対策」を施す必要があります。
SEO対策はオーガニックリサーチ(自然検索)からのサイト流入数を増やすことが主目的となります。したがってWebサイトへの集客が目的であるページは、見込み客が検索しているキーワードに特化したページ設計が必要になるのです。
ページのキーワードにはマンダラチャートなどで捻出したキーワードを設定しましょう。「Googleキーワードプランナー」で検索ボリュームを調べるなどして、検索数が多すぎないキーワードを狙うと上位検索されやすくなります。
ユーザーニーズに合わせたコンテンツ企画
集客を目的としたページコンテンツとは別に「ユーザーニーズに合わせたページコンテンツ」を制作する必要があります。自社サイトに訪問したユーザーのサイト上の行動を分析し、ユーザーが求めている情報によりマッチングしたページを制作していきます。
集客を目的としたページコンテンツも同様に「ユーザーニーズ」がページ設計の基本となりますが、ユーザーのサイト内体験に重きを置いている点で異なると覚えておきましょう。
したがってページに書く内容は深く、事前のリサーチも必要になります。
ヒートマップツールを使ったコンテンツ改善
はじめのうちはユーザーニーズにマッチングしたページコンテンツを制作できないことでしょう。そうした場合は「ヒートマップツール」を使い、既存のページコンテンツの分析を行います。
ヒートマップツールはページごとの「ユーザーの動き」を色で把握するツールです。把握できる内容には「スクロール深度」や「離脱箇所」、「クリック箇所」などがあり、ページのどの部分でユーザーが読む(見る)のを止めたのかが分かるようになっています。
既存のサイトトップページや広告用のランディングページなどの改善に直結する情報が得られるヒートマップツールを使うことで、既存コンテンツをユーザーニーズにマッチングしたものへと変化させていくことができるようになるのです。
2種類のコンテンツでサイトを構成する
自社サイトのコンテンツ企画について、アイディア捻出の方法やページの改善方法なども含めて紹介しました。
まずは限られたリソースから分析できる情報を整理し、集客に特化したページコンテンツとユーザーニーズに応えるページコンテンツの構成を考えてみましょう。
(画像はPixabayより)