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MVPのタイプ別に紹介!MVPに動画を活用する?
著者名:Maki Aman
動画型MVPとは、完全な機能を備えたプロダクトを構築する前に、プロダクトの機能をシミュレートするための、動画を作成するMVPの方法のひとつです。
この動画は、実際のプロダクトを使用しなくても、動画をみるだけで視聴者がそのプロダクトの内容が使えるものかどうかを判断するのに十分な情報が得られるように作ります。それをもとに、MVPと同じくデータを収集し仮説の検証を行います。
今回はこの動画型のMVPについてご紹介していきます。
MVPとは
本題に入る前に、そもそもMVP(Minimum Viable Product)とはなんなのでしょうか?
一言で表すと、「そのプロダクトを形づけるのに最小な機能だけを実装させたプロダクト」のことです。つまり、アイデアをプロダクトにする際の、ベータ版、それを使って市場の反応をみるためのものです。
いきなり莫大な時間とコストをかけたプロダクトを作るのではなく、ミニマムな機能のみを実装させたプロダクトを作り、リスクを最小限に留めた実験を行うプロダクトのことをMVPといいます。
動画型MVPとは
動画型MVPとは、プロダクトの開発前や、プロダクトの代わりに試作品の基本的な機能がわかる動画を作成するMVPの方法です。
つまり、プロダクトはまだできていない、MVPとしても不十分な完成度だけれど、その基本機能、MVPのユーザーインターフェイスをだけでも紹介するために、コストを削減し動画で解説するというものです。
これにより、実際の潜在ユーザーがそのプロダクトに興味があるかどうか、反応を確かめることができます。そのデータをもとに、そもそものプロダクト内容を変更したり、インターフェイスの再構築などを、MVPを作る前に実際のデータをもとに行うことが可能となります。
さらに、自分のプロダクトを紹介できるというメリットもあります。
例えば、あなたがYouTubeのようなプロダクトを作りたいとします。しかし、それにはサーバー費などの通信費用はもちろん、あなたや一緒に開発をする仲間の給料も必要となるでしょう。
では、資金をどう調達するでしょうか?
「投資家に話す」「銀行に事業計画書を持っていく」「国や地方自治体の制度を利用する」など、さまざまな方法がありますが、動画型MVPでプロダクトを紹介するのが一番いい場合もあります。
プロダクトを友人などに、紹介するのは文章が必要ですが、動画であればSNSなどを通じ、時間をかけずにシェアすることができます。
つまり、あなたが作ろうとするプロダクトを動画で紹介し、それがSNSやメディアを通し、バズったり、有名なったりする可能性が広がるということです。
開発前からプロダクトが有名になった場合、潜在ユーザーを獲得できたということになりますから、資金の調達も簡単になります。プロダクトローンチ時にかかる広告宣伝費も安く済ませられるでしょう。
このように、動画型のMVPは、プロダクトを開発するよりも先に行うことで、MVPを開発している最中でも、資金調達などに役立てることが可能です。
課題
動画型MVPのメリットについてご紹介しましたが、デメリットもいくつかあります。「動画はとりあえず作成すればいい」というわけではありません。伝えたいことがより多くの人に伝わる分かりやすい動画を準備する必要があります。他にも動画編集のスキルも必要となります。
動画の構成を考え、それを実際形にしていくのに、動画編集スキルがないと苦労するかもしれません。
もしそういった人材確保に不安がある場合は、エニィにご相談ください。動画編集のスキルをもった人材でサポートさせていただきます。
LPも活用
そして、動画と一緒にうまく活用したいのが、LP(ランディングページ)です。LPはユーザーがプロダクトを調べた時などに、最初に表示されるページのことです。
通常のLPは、プロダクトや製品を購入してもらうために、制作をするものです。しかし、MVPランディングページは(ページを作成する)プロセスであり、ページではありません。
MVPページを経て、実際のLPを作成することにより、プロダクトにとって最適なLPの構築を行うことが可能になります。
MVP動画をうまく活用した事例
MVP動画をうまく活用したスタートアップ企業といえば、Dropboxでしょう。
Dropbox
Dropboxを知らない方のために、Dropboxについて紹介しておきます。Dropboxはデバイス間でファイルを同期するファイル同期ソフトウェアです。ラップトップのDropboxフォルダーにWord文書をアップロードすると、クラウド上に保存され、仕事用のコンピューターまたはスマートフォンなどの、別のデバイスで同じ文書にアクセスできるサービスです。
Dropboxの動画型MVPの活用方法
競合としては、Google Driveなどがあげられます。現在では、DropboxやGoogle Driveを使用している方も多いので、イメージしやすいのではないでしょうか。
しかし、Dropboxのプロトタイプが制作したのは2007年です。2007年当時、Dropboxのようなプロダクトは認知度が低く、非常に複雑な製品であり、言葉で説明するのも難しいものでした。
そのため、2007年にDropboxの創設者であるDrew Houstonは初期のプロトタイプを作成しましたが、完全には機能しておらず、膨大な数のユーザーを処理する準備ができていませんでした。しかし、Drewはまだ人々が彼の製品を望んでいるかどうかを確認しておきたいと考えていました。
そこで彼は、プロトタイプの動画を録画し、その主な機能と使用例を示しました。動画の下部には、プライベートベータの順番待ちリストに参加するためのフォームを設置していました。
Drewはこの動画をHackerNewsとDiggに投稿し、その反応を検証しました。その動画は数十万のビューを引き出し、ベータの待機リストを数千増加させました。
Drewは製品をリリースすることなく、人々が本当にファイル同期の問題に直面していることを証明することができ、Dropboxがその解決策であることを証明しました。
つまり、エンジニアリングに時間をかけずに、実際の製品を作成しなくても、動画型MVPだけで製品への関心を測ることができます。
まとめ
動画MVPは、プロダクトの開発前や、プロダクトの代わりに試作品の基本的な機能がわかる動画を作成するMVPの方法です。
これは、2007年当時、言葉で説明するのが難しかったDropboxの創設者であるDrew Houstonが、初期のプロトタイプの作成時に、膨大な数のユーザーを処理するための機能が完全に完成していなかったため、プロトタイプの動画を録画し、その主な機能と使用例を示しました。
そして、動画型のMVPは、プロダクトを開発するよりも先に行うことで、MVPを開発している最中でも、資金調達などに役立てることが可能です。
また、動画と一緒にうまく活用したいのが、LP(ランディングページ)です、注意しなければならないのが、MVPランディングページは(ページを作成する)プロセスであり、ページではありません。MVPページを経て、実際のLPを作成することにより、プロダクトにとって最適なLPの構築を行うことが可能になります。
このように、動画型MVPはプロダクトを言語化するのが難しい場合や、MVPを制作するための資金を調達する時に、有効に使用することができます。
デザイナー、エンジニア、マーケターの経験を活かし、経営戦略からWEB企画(制作・開発・広告) までを幅広く担当。企業コーポレートサイト、ロゴデザイン、ブランディング、開発ディレクション、アニメーションなど現場でのデザインと実装など対応領域は多岐にわたる。新規事業立ち上げやコンサルティングの経験も豊富。3児の母。
15 年間、さまざまな企業のサービス起ち上げ、ブランディング活動に携わってきました。さまざまな立場や環境によって人の目線は変わるものですが、どのような角度から見たときにも、企業の明るいビジョンが描ける立体的な活動がしたいと思っています。
透きとおった心で、明るい未来を描き、美しい世の中をデザインするために活動中。
・オルタナグリーンオーシャン大賞受賞
・DXからXRの世界へMinimumVariableProduct(著書)
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