MVP

起業者にもメリット有! MVP を活用するメリット・デメリットとは

著者名:Maki Aman
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ソフトウェア開発やWebサイトを作成する場合、完成イメージを第三者に理解してもらうために、スケッチやモックアップ、フレームワークといったものを利用することがありますよね。製品のデザインについて、理解するために有効な手段です。

かたちのある製品についても同様です。

人間は視覚で認知すると理解力が高まり、良い答えを導き出すことができるといわれています。

そのため製品の価値を理解してもらうために、1度製品をつくってみます。

その際、製品を短期間で製作できるように、最小限の機能に絞ります。そして、製品を実際に使ってもらい、改善点を次の製品にフィードバックするといった方法をMVP(Minimum Viable Product)といいます。

MVPはデザインだけはなく、これから起業を考えている人にもメリットがある手法です。

そこで今回はMVPを活用するメリット・デメリットについてご紹介します。

MVPの目的

まずはMVPについて、説明していきます。

MVP(Minimum Viable Product)とは、『最小限で実現可能な製品』という意味です。

『最小限で実現可能な製品』とは、初期コストをかけずに短期間で最小限の機能をもった製品をつくることで、リーン・スタートアップの仮説や検証に役立てます。

新たに製品やサービスの提供をはじめることは大きなリスクがあり、いかに優れたアイデアであっても、実際にビジネスとして成功するとは限りません。

過去の事例として、1980年頃に販売されていたレーザーディスクで説明します。

レーザーディスクは、パイオニアの登録商標です。製品は、直径30cmの光ディスクで、最大2時間の映像が記録できました。当時としては、映像はまだアナログの時代でしたが、音声についてはデジタル化に以降している状況でした。

家庭用のテレビも大型化へと進化していた時代でもあり、家庭できれいな映像と音声で映画やアニメやスポーツが楽しめると話題になりました。しかし、レーザーディスクを再生する機器の価格やレーザーディスク本体の価格も高価であったため、一般の消費者に広く普及しませんでした。

MVPという考え方がなかった1980年頃には、高機能で高品質のレーザーディスクは、売れるだろうと思われていました。

しかし、大きくて取り扱いがしづらかったり、見たいコンテンツの製品が販売されなかったり、様々な問題があったため、想定から大きく外れ、売上げが上がりませんでした。

繰り返しになりますが、優れた製品であっても必ずしも売れるとは限りません。

MVPでは、そういったビジネスの失敗を防ぐために、ビジネスのアイデアや製品が「市場でどのようにすれば受け入れられるか」という仮説を立てて、その仮説を低コストで短期間に検証することが最大の目的です。

MVPのメリット

では、具体的なメリットについて説明します。

アイデアの有効性を検証できる

新規ビジネスが成功する上で最も重要なことは、「市場にニーズがあるかどうか」=PMF(Product Market Fit)ということです。

市場のニーズがなければ、どんなに優れたアイデアであってもビジネスになりませんからね。

MVPでは最小限の機能をもたせた製品で少しずつではありますが、アイデアに対する市場での有効性を調査することが可能となります。

問題・課題の発見→改善のサイクルを速く回せる

アイデアを製品にし具現化することで、それまでわからなかった様々な問題や課題がわかるようになるでしょう。

もし、いきなり完成品を目指して開発を行っているなかで、問題や課題が発見された場合、改善により時間や費用などのコストが多くかかることが十分に予想されます。

そこでMVPで、最小限の機能からの開発を繰り返すことで、問題・課題の発見→改善のサイクルをより速く回すことが可能となります。

そうすることで、様々なムダを防ぎ、コストを抑えつつ、収益化のスピードも上げることができます。

市場にいるユーザーにMVPが価値あると評価されれば、小さいながら売上を作ることができます。

ビジョンを理解し、行動に移せるようになる

アイデアの検証や問題・課題の発見→改善のサイクルを回していくと、最初に考えていたアイデアのビジョンもより具体的になっていきます。

そうすることで、関わっているメンバーがよりビジョンを理解することができ、「何を必要ですべきなのか」と行動に移せるようになります。進むべき方向性が定まれば、よりサイクルのスピード感を高められるでしょう。

コストがわかる

1度製品をつくることで、製品のコストがわかります。レーザーディスクの事例でもあったように、優れた製品でも消費者が負担してでも欲しい機能でなければ普及しません。また、製品原価も早期に把握でき、戦略的な販売を行うことができます。

ビジネスや課題に必要なリソーセス(経営資源)がわかる

MVPで良好な結果が得られた後に、ビジネスとしての準備が必要です。

多くの消費者が欲しがるような製品であれば、生産体制への投資が必要です。また、追加機能のニーズがあれば開発体制への投資が必要です。今後の投資方針が明確になります。

MVPのデメリット

ここまでMVPのメリットについてご紹介してきましたが、MVPといえど、万能ではありません。

MVPがこれからはじめるビジネスやプロダクト開発に適切なのかを判断するためにも、デメリットの面を把握しておく必要性があります。

そこでここからは具体的なデメリットについて説明していきます。

高性能なもの、高品質なものを短期間で作るものと勘違いされやすい

自動車などの高性能で高品質が求められる製品については向いていません。大企業でも自動車の開発は、数十カ月の期間と莫大なコストをかけて開発しています。

自動車部品についても、自動車の安全性や性能にかかわる部品については、時間とコストをかけて開発しています。ビジネスとしての市場規模は大きいですが、低コストで短期間に製品化したもので新規事業として参入するにはリスクが非常に高いです。

アイデアを模倣される

1度製品として市場に出すため、他社に模倣されてしまう可能性があります。大企業に模倣された場合、さらに短期間にMVPを行われてしまう可能性があります。

そのため、MVPで繰り返し検証を行なう際は、スピード感を意識することも重要となります。

防衛策として、特許によって技術を独占することはできますが、特許取得まで時間や費用がかかります。しかし大企業によって模倣されることで、市場が活性化する可能性もあります。

まとめ

MVPの活用方法

繰り返しになりますが、MVPを行えば、必ず成功するとは限りません。しかし、優れたアイデアがあるのにビジネスをはじめないのは非常にもったいないことです。

また、同じ様なアイデアをもっている人は、他にもいるでしょう。そうなると、一刻も早くかたちにしないと他の人のものになってしまいます。過去の産業の歴史をみても、最初はささいなアイデアではじまったことばかりです。

Googleの創業者のラリー・ペイジも、アイディアについて次のように語っています。

「素晴らしいことを思い付いたらすぐに行動すること。アイデアに価値はなにもない。実行することが大事だ。」

起業を考えている方は、決してアイデアで終わらず、是非社会に役に立つ製品やサービスの実現に向けて動いてみて下さい。

この記事を書いた人

著者名 Maki Aman

デザイナー、エンジニア、マーケターの経験を活かし、経営戦略からWEB企画(制作・開発・広告) までを幅広く担当。企業コーポレートサイト、ロゴデザイン、ブランディング、開発ディレクション、アニメーションなど現場でのデザインと実装など対応領域は多岐にわたる。新規事業立ち上げやコンサルティングの経験も豊富。3児の母。 15 年間、さまざまな企業のサービス起ち上げ、ブランディング活動に携わってきました。さまざまな立場や環境によって人の目線は変わるものですが、どのような角度から見たときにも、企業の明るいビジョンが描ける立体的な活動がしたいと思っています。 透きとおった心で、明るい未来を描き、美しい世の中をデザインするために活動中。 ・オルタナグリーンオーシャン大賞受賞 ・DXからXRの世界へMinimumVariableProduct(著書)

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