MVP

取り組む前に Check ! MVP で NG な 4 つのポイント

著者名:Maki Aman
MVP(Minimum Viable Product)を活用するメリットとしては、「ムダなコストを省く」「最短で出来る」「早い段階でニーズを把握出来る」「誰の目に見てもゴールが見えやすくなる」という点です。 最初から膨大な時間とコストをかけて完璧なプロダクトを製作するなかで、失敗した時のダメージは大きいです。 その点MVPであれば、必要最低限の機能とコストで製作出来るため、仮に失敗してもダメージは最小限に抑えることが出来ます。 しかし、新規プロダクトを製作するうえで「どうやったらMVPを上手く使えるのか」「MVPでどんなものがNGなのか」といった疑問を持つ方もいるでしょう。 MVPは上手く活用が出来るかどうかで新規プロダクトの成功速度が変わります。そこで今回は、MVPを活用していくのにNGなことについて、ご紹介していきます。 MVPの活用でのNG では、さっそくMVPの活用が上手くいかない理由であるNGについてみていきましょう。 <カスタマーニーズの情報をすべて集めようとする> MVPの活用が上手くいかないひとつの理由として、カスタマーニーズの情報をすべて集めようとすることが挙げられます。 先述したように、必要最小限の機能を実装したプロダクト(MVP)から、市場やユーザーのデータを収集するのが目的となります。しかし、ここで得られる情報はカスタマーニーズのすべてではありません。 例えば、LINEのようなプロダクトを作っていたとします。この時、MVPを作ると、チャットが出来、友達追加が出来るような必要最小限の機能となるでしょう。 しかし、現在のLINEのカスタマーニーズはチャットが出来るのはあたりまえで、スタンプ機能や、電話機能、グループ機能などチャット以外のニーズもたくさんあります。現在では、たくさんのニーズがあることはわかりますが、MVPの時点で、スタンプ機能やタイムライン機能、さらには有名なQRコード決済のLINE Payを搭載するウォレット機能などがニーズになっていることを見極めるのは不可能に近いでしょう。 このように、カスタマーニーズの情報をすべて集めようとすると、何がプライムニーズなのかわからなくなることが多いので、注意しましょう。 また、カスタマーはインサイトを持っていないことにも注意しましょう。 例えば、マクドナルドはビックマックの戦略時に、ユーザーの意見を取り入れて、ヘルシーなハンバーガーを発売しましたが、失敗で終わりました。かえってジャンク的である現在のビッグマックが求められていたのです。 ユーザーの意見を取り入れたからといって、それがユーザーの行動を起こす理由に必ずなるというわけではないことを理解しておきましょう。 <活用されるかわからないのに機能追加してしまう> MVPには、取材型、LP(ランディングページ)型、人力型があります。 簡単に説明すると、取材型は課題の対象ユーザーやペルソナに対してインタビューをしたり、実際にコミュニティに入ってもらい観察する方法です。 LP型は、例えば簡易的なサイトの「事前申し込み」を作成したとして、そこで実際にどれだけの登録者がいたか計ることでユーザーのニーズを調べる方法です。 最後の人力型は、取材型とLP型の手応えを掴んだ後にプロダクトの原型を作り、ユーザーに使ってもらう方法です。プロダクトの表面的な部分のみしっかり作成し、裏側は人力で動かし、どれだけニーズがあるかを検証します。 仮に自動化出来るプロダクトを作っても、そのプロダクトを使うユーザーがいなければ作るだけムダになります。そのため人力型は「ユーザーの反応を感じること」が目的となり、人力で出来ることをはじめから自動的に行えるように機能追加をすることは勧めていないです。また、「ないものをあるように感じさせて、ニーズを取得する方法」であるため、ユーザーに直接会って反応を感じることが効果的です。 <機能を追加しすぎる> MVPが上手くいかない理由として「機能を追加しすぎる」ということがあります。 例えばアプリを製作しているとして、ユーザーにとって必要かわからない機能をどんどん追加したとします。そうすると実験の要素が増えるので、何がユーザーに刺さったかわからなくなり市場投入も遅くなります。 MVPは必要最低限の機能を装備することが大前提で、期間は長くても2ヶ月以内でユーザーの反応を見ながら軌道修正することが大事です。 魅力的な機能を追加するなら、例えば100人のユーザーにアンケートを採りと、創業当初に取り扱っていた商品は書籍だけでしたが、常に100 万冊以上の在庫を管理していました。そのため「Amazonにいけば欲しい本は見つかり、他の店舗にはない価値提案が明確だった」といわれ、 結果的に顧客が定着しました。 新規プロダクトを製作するのであれば、競合をリサーチし自社ならではの価値提案があることで他社と差別化が出来ます。また組織をマネジメントするためにもMVPは不可欠です。 <詳細な仕様書での開発> そもそも、詳細な仕様書での開発はアジャイル開発ではなく、ウォーターフォール開発と呼ばれる開発方法になり、ウォーターフォール開発はリーンスタートアップではなく、大手銀行などが使う開発方法です。 ここで、一度言葉の整理をしておきます。 まず、アジャイル開発(agile software development)とは、現在よく使われているソフトウェアやシステムの開発手法のひとつです。 アジャイルは英語で「agile=素早い・俊敏な」というような意味を持ちます。ここからもわかるように、アジャイル開発は、速やかにソフトウェアやシステムをリリースするのに適した開発手法です。 アジャイル開発の開発特徴として、機能単位の小さなサイクルで、計画・設計・開発・テストまでの工程をぐるぐるとサイクル型に繰り返すことにより開発を行います。つまり、一気にすべて作らず、バージョンによって機能を追加したり削除したりするということです。 一方ウォーターフォール開発とは、1990年ごろから使われてきたかなり古い開発手法です。ウォーターフォール開発では、あらかじめソフトウェアなどの全機能に関する要件定義や設計を綿密に行ってから、詳細な仕様書を作り、すべての機能を実装させるのを前提にして開発に入ります。 そのうえで、プロジェクト全体で「要件定義→設計→実装→テスト→運用」という順にダムから水が流れるように後からの行程の変更や、要件定義の変更は行わず、一方通行でウォーターフォール開発は開発を進めるのが前提です。 みずほ銀行のプログラムが度々落ちるのは、このウォーターフォール開発であったためであるといわれています。つまり、それくらい大きなシステムの開発が前提となっており、バグが起きた場合にはとても修復が難しいということです。 そのため、カスタマーニーズによって大きな変更をしなければいけない、スタートアップには全く適していないといえます。 あくまで、MVPはミニマムなプロダクトを作ることを目標とするので、詳細な仕様書での開発は避けましょう。 <ビジョンや人のピボット> スタートアップでは掲げているビジョンを共有できるメンバーを集めるべきなので、そのビジョンを途中にピボットすることはNGとされています。またメンバーとしてアサインした人たちも変更することはできません。 ビジョンやメンバーはスタートアップの基盤です。その基盤をピボットするということは、会社自体の存在意義に関わります。メンバーが高い能力(プログラミングや人脈など)をもっているからといって、ビジョンに強く共感していない人をいれてしまうと、ピボットする以前に会社自体を解散することにつながることもあります。 スタートアップに必要なメンバーの要素例をいくつか紹介します。 ・失敗を恐れない ・新しいやり方を探すのが好き ・アイデアも出すし、手も動かせる ・テクノロジーや新しいものに強い ・何らかの成功体験がある ・好奇心が強く、学習意欲が高い ・課題意識あり ・専門知識がある ・柔軟性があり、粘り強い ・お金にこだわらない ・ワークライフバランスにこだわらない ・協調性 ・役割役職、ポジションにはこだわらない まとめ 活動資金をやっとの想いで準備したものの、プロダクト開発が失敗となるとコスト面だけではなく精神的にもダメージが計り知れないです。 せっかくMVPを活用したとしても、メリットを殺すような活用方法では、元も子もありません。 今回ご紹介したNGなことを常に頭に入れながら、プロダクト開発に取り組んでください。

この記事を書いた人

著者名 Maki Aman

デザイナー、エンジニア、マーケターの経験を活かし、経営戦略からWEB企画(制作・開発・広告) までを幅広く担当。企業コーポレートサイト、ロゴデザイン、ブランディング、開発ディレクション、アニメーションなど現場でのデザインと実装など対応領域は多岐にわたる。新規事業立ち上げやコンサルティングの経験も豊富。3児の母。 15 年間、さまざまな企業のサービス起ち上げ、ブランディング活動に携わってきました。さまざまな立場や環境によって人の目線は変わるものですが、どのような角度から見たときにも、企業の明るいビジョンが描ける立体的な活動がしたいと思っています。 透きとおった心で、明るい未来を描き、美しい世の中をデザインするために活動中。 ・オルタナグリーンオーシャン大賞受賞 ・DXからXRの世界へMinimumVariableProduct(著書)

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