
- 効率良くプロダクトを提供できる
- 顧客の意見を取り入れやすく、市場のニーズから乖離しにくい
- 市場での有意性がある
- 投資家への有効性
- ソーシャル・インパクト・ボンド
リーン・スタートアップは、新規事業のタイミングにおいて非常に有効です。ですが、リーン・スタートアップを活用して成果をあげるためには、目的やメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
これまで新規事業の立ち上げに上手くいかなかった経験がある方や、これから新規事業の立ち上げを検討している方に向けて、リーン・スタートアップのメリット・デメリットを解説します。
目次
リーン・スタートアップの目的は、新しいビジネスモデルや革新的な製品を市場に出す際、発生する費用や時間のムダを徹底的に省くことです。
リーン(lean)とは「贅肉のない」「ムダのない」と訳され、ビジネスでは「ムダを省く」「効率性の高い」といった意味合いで使われます。
そのリーン・スタートアップという考え方には、スタートアップの成功率を高めるために、MVP(Minimum Viable Product)という必要最小限の機能を持ったプロダクトを試験的にリリースし、改良を繰り返していく手法があります。
はじめから、完成品を目指さない、場合によっては1から再構築するなど一見ムダが多いように思えますが、段階的に顧客の意見を取り入れることができ、結果としてムダな費用や時間を省くことができます。
まずはリーン・スタートアップを取り入れるメリットをご紹介します。
成功が難しいスタートアップの分野ですが、リーン・スタートアップは有名なマネジメント理論なため、メリットを理解したうえで、生かすことができれば大きな成果につながるでしょう。
リーン・スタートアップを活用するメリットは主に次の5つです。
それではひとつずつ見ていきましょう
リーン・スタートアップの手順では、仮説を立てた次にMVPを作成し、市場のニーズを検証します。
ビジネスの軸となる部分に対する需要の有無を、早い段階で掴めるのでムダなコストや時間をかけずにプロダクトの提供ができます。
スタートアップの性質として、これまで市場になかったビジネスモデルや革新的な技術を持った製品を提供するので、初期から受け入れられる可能性が低いです。
効率的にプロダクトを提供できれば、収益をあげる前に失敗に終わってしまう、1からやり直すリソースを確保できないといった事態を防げます。
市場の性質として、スタートアップの提供するプロダクトを受け入れるユーザーはそれほど多くありません。
イノベーター理論によると、最も新しい流行の受け入れに好意的なイノベーターが2.5%程。次に続くアーリーアダプターが13.5%程で合わせても15%程です。
スタートアップがプロダクトを出したとして、最新の流行を先取りしている15%のユーザーに需要がなければスタートアップの成功は難しくなります。
リーン・スタートアップでは、ユーザーの意見を徹底的に検証し、改良を繰り返します。学習し続けることで顧客の意見を取り入れ、いざプロダクトをリリースした際に市場のニーズと大きく乖離しているといった事態を防ぎます。
スタートアップは、現段階で市場にないプロダクトを提供することを目的としています。より多くの要素を盛り込んだ完成品を市場に出すよりも、MVPの段階で市場に出す方がスピードが速く、市場の有意性を確保することができます。
ユーザーの性質として、最初の製品やサービスを記憶しやすいです。はじめての○○や1番の○○といったプロダクトは認知率が高いので、スタートアップはスピードが重要です。
完全な製品を開発するために膨大なリソースを割かなくても、製品が必要かどうか調査できます。
製品の提供を素早く繰り返すことで、チームが顧客の実際のニーズとウォンツを学習するのを早めることができます。
公開時は最小限の機能に集中することで、開発チームが費やす無駄な時間を最小限に抑えることができます。
初めからすべての機能をもつ完全な製品を開発するよりも早く市場に製品を投入できるので、理論的には、販売収益も早く獲得できるでしょう。
ソーシャル・インパクト・ボンドとは、行政、事業者、民間資金提供者等、多様な関係者が連携して社会課題の解決に取り組む手法です。
サービスの提供だけではなく、社会課題が解決されたかどうかを第三者が評価し、その評価に連動した対価が支払われます。
事業の実施を通して、あらかじめ合意した成果が達成されて初めて、支払いが行われますので、支払われるまでの間、費用は民間資金提供者から調達されることになります。
言い換えると、成果が達成されなかった場合のリスクは、民間資金提供者がとる仕組みです。
このようなソーシャル・インパクト・ボンドに参入することで、従来収益を生み出しにくかった分野などにおいても、新たな事業として積極的に取り組むチャンスが生まれるでしょう。
一方で、リーン・スタートアップにはデメリットもあります。
事前にデメリットを理解しておくことでリーン・スタートアップを活用するか検討する材料になりますし、活用する場合に注意して取り組むことができます。
リーン・スタートアップのデメリットは主に次の3つです。
ひとつずつ見ていきましょう
リーン・スタートアップではMVPについて検証→学習のサイクルを繰り返します。そのため開発のコストが大幅にかかる場合は有効ではありません。
新規事業に取り組みにあたって、開発の費用やかけられる時間、人員には限りがあるので1回毎の学習に必要なコストがどれくらいかを仮説段階で把握しておきましょう。
何度も検証→学習のサイクルを繰り返すうちに、本来の軸となるビジネスモデルやイノベーションの部分を変更してしまう場合があります。
目的がぶれてしまうとスタートアップとしての意義を見失ったり、顧客のニーズを無視してしまったりするので軸となる部分は変えずに、改良していきましょう。
これまでの企業のやり方と違う場合や、関わるメンバーのリーン・スタートアップへの理解度が高くない場合には、リーン・スタートアップのサイクルを一貫して行うことが困難になります。
リーン・スタートアップのサイクルをまわしていくうちに、当初の目的とずれていくことも少なくありません。
場合によっては、当初の開発方針を取りやめ、思い切った方針転換に踏み切るべきケースも当然でてきます。
リーン・スタートアップのメリット・デメリットを把握しておくことで、新規事業を立ち上げる際の手法として適切か判断する基準となります。
リーン・スタートアップを取り入れることが適切ではない業種やスタートアップに関わるメンバーの理解度などデメリットはあるものの、スタートアップを成功させるために重要なプロダクトリリースまでのスピードや、限りあるリソースを効率的に活用できる点などは大きな魅力です。
今回取り上げたメリット・デメリットを理解して、自社での活用を前向きに検討している方は、ぜひエニィにご相談ください。MVPのプロがお手伝いします!